
とうふちくわは、木綿豆腐と白身魚のすり身を混ぜ合わせ、ちくわの形にして蒸し上げた鳥取県の練り製品です。豆腐と魚のすり身をおよそ7対3で合わせるのが基本とされます。ふんわりとやわらかな食感で、かむと豆腐の香りが広がります。鳥取市を中心とする県東部(因幡地方)で日常的に食べられ、県中部でも親しまれてきました。由来としては、鳥取藩主・池田光仲が質素倹約のため「魚の代わりに豆腐を食べよ」と勧めたことに始まるという説が広く知られています。一方で鳥取県立公文書館の資料はこの話を俗説とし、もとは客をもてなす贅沢な食品だったと紹介しています。普段のおかずだけでなく、祭りや結婚式などのハレの日にも食べられてきました。しょうが醤油やわさび醤油で食べるのが定番で、ねぎ入りやカレー味などの商品もあり、鳥取土産としても人気があります。
発祥
由来として広く語られているのは、鳥取藩主・池田光仲にまつわる話です。江戸時代の鳥取藩は漁港の開発が遅れ、魚は庶民の口に入りにくい貴重品でした。そこで光仲が質素倹約のため「魚の代わりに豆腐を食べなさい」とお触れを出し、豆腐を使った新しい食べ物として考案されたとされます。山村の多い鳥取では田んぼの畦(あぜ)でも大豆が育てられ、豆腐づくりが盛んでした。ただし、この倹約令の話は記録で確かめられておらず、俗説とする見方もあります。
歴史
鳥取県立公文書館の「県史だより」によると、確認できる最も古い記録は宝暦11年(1761年)のものです。倉吉で町年寄などを務めた中村家の文書に、幕府の巡見使をもてなす献立として、味噌汁の具の「とうふちくわ」が見えます。このときは精進料理として出され、豆腐だけで作られたと推測されています。平成14年(2002年)には、鳥取市で開かれた第17回国民文化祭で「世界とうふちくわ会議」が催されました。これを機に県東部の有志が魅力を発信し、B-1グランプリにも出場しています。
特徴
木綿豆腐と白身魚のすり身をよく混ぜ、蒸し上げて作ります。一般的な魚のちくわに比べてきめ細かくやわらかで、味は淡白で癖がありません。しょうが醤油やわさび醤油をつけて食べるのが定番で、酒の肴にもよく合います。オーブントースターで軽く焼くと、ふっくらとした食感がより楽しめます。蒸したものと焼き目をつけたものがあり、ねぎ・しょうが・カレー・レモンなどの味付け商品や、とうふちくわを使ったシュウマイも作られています。
主な食材
食文化
鳥取には、毎年12月8日に豆腐を食べてその年についた嘘を帳消しにする「嘘つき豆腐」という風習が伝わり、豆腐が暮らしに根づいています。総務省の家計調査では、鳥取市がちくわの購入額で全国1位となった時期もあります。
有名店
とうふちくわの里 ちむら 元魚町本店
鳥取県鳥取市元魚町3丁目223
1865年創業と紹介される老舗で、とうふちくわの元祖ともいわれます。鳥取県産大豆の木綿豆腐7割と白身魚3割で作り、保存料や化学調味料は使わないとしています。河原町布袋の布袋店や、鳥取港海鮮市場かろいち内にも店があります。
詳細を見る →かろや商店
鳥取県鳥取市元魚町3-201
自家製の木綿豆腐を使ってとうふちくわを作る練り物店です。蒸したものと焼いたものがあり、2023年の記事では1本141円程度と紹介されています。地元で獲れたトビウオ(アゴ)を使うあごちくわも扱い、鳥取駅や鳥取空港などでも買えます。
| ちむら「豆腐竹輪・蒸し」 | ちむらの定番のとうふちくわで、鳥取県産大豆の木綿豆腐と白身魚を7対3で合わせて蒸し上げています。焼き目をつけた「焼き」のほか、ねぎ・生姜・カレー・レモン・トマトとチーズなどの味付け商品もそろいます。購入先を見る →PR |
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よくある質問
Q. とうふちくわは、ちくわぶと同じものですか?
A. 別のものです。ちくわぶは小麦粉を練って作る、関東でおでん種として親しまれる食材です。とうふちくわは木綿豆腐と白身魚のすり身を合わせて蒸し上げた練り製品で、鳥取県中・東部に伝わる郷土の味です。