てっぱい

Teppai (Vinegared Fish and Daikon Dressed in Sweet White Miso)

てっぱい 1

てっぱいは、香川県全域に伝わる、魚と野菜の酢味噌(すみそ)和えです。もともとは、ため池でとれたフナを酢でしめ、細く切った大根などと一緒に、甘みのある白味噌で作った酢味噌で和えていました。香川県は雨が少なく、農業用のため池が多いことで知られます。秋から冬にかけて池の水を抜いたときにとれるフナは「寒ブナ」と呼ばれ、脂がのって臭みが少ないとされます。海の魚が手に入りにくかった農村では、大切なたんぱく源でした。名前は「鉄砲和え」がなまったものという説がありますが、語源ははっきりしていません。かつては寄り合いの席の酒の肴として、冬の客膳に欠かせない料理だったといわれます。フナが手に入りにくくなった今は、コノシロやサバなど海の魚で作ることが多くなっています。

発祥

香川県では、雨の少ない土地で稲作を支えるため、数多くのため池が造られてきました。農繁期が終わった秋から冬にかけて池の水を抜き、そこにすむフナをとって作ったのが、てっぱいの始まりとされます。四国新聞社の紹介では、海の魚が手に入りにくかった農村で、ため池のフナやコイがたんぱく源になったことが背景にあると説明されています。

歴史

農林水産省の「うちの郷土料理」では、てっぱいは、ため池の水を抜く冬に男たちが生きたフナを使って作る料理だったとされます。昔は伊勢講(伊勢参りのために積み立てをする仲間の集まり)などの寄り合いで酒の肴として出され、冬の客膳に欠かせないものでした。農作業の合間に地域の人が集まって酒をくみ交わす「めおい」という風習でも、主役の料理だったと紹介されています。

特徴

魚を三枚におろして細く切り、塩をしてから酢でしめます。大根は細切りにして塩でもみ、水気をよく絞ります。これらを白味噌、砂糖、酢を合わせた酢味噌で和え、細ねぎや唐辛子を加えます。白味噌に甘みがあるため、砂糖の量は好みで加減するとされます。酢の代わりにダイダイの搾り汁を使ったり、ユズの皮で香りをつけたりする家庭もあり、具材や味付けは地域ごとに異なります。

主な食材

フナ(現在はコノシロ・サバなどで代用することが多い)大根白味噌砂糖酢唐辛子細ねぎ

食文化

冬の寄り合いや客膳で、酒の肴として出されてきた料理です。地理的表示(GI)に登録された「サヌキ白みそ」の資料でも、白味噌を使う香川の料理として、あん餅雑煮などと並んでてっぱいが挙げられています。今も家庭で作られ、県内の飲食店でも食べられると紹介されています。

よくある質問

Q. 「てっぱい」という名前はどこから来たのですか?

A. 農林水産省の紹介では、フナのことを「鉄砲」と呼んだことから「鉄砲和え」となり、それがなまって「てっぱい」になったという説が挙げられています。ただし、香川県産の農畜水産物を紹介するサイト「讃岐の食」では語源ははっきりしないとされ、確かなことはわかっていません。

Q. フナを使わないと、てっぱいとは呼ばないのですか?

A. 本来はため池のフナで作る料理ですが、今はフナが手に入りにくくなっています。そのため、コノシロやサゴシ(サワラの若魚)、サバなど海の魚で作ることが多いと紹介されています。四国新聞社の記事では、フナのほかにコイを使う例も挙げられています。

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