1 / 2須崎の鍋焼きラーメンは、高知県須崎市(すさきし)で生まれたご当地ラーメンです。土鍋に入れたまま、ぐつぐつと沸騰した状態で運ばれてきます。スープは親鳥(おやどり)の鶏ガラでとった醤油味で、麺はやや硬めにゆでた細いストレート麺です。具は親鳥の肉、ねぎ、ちくわ、生卵というシンプルな組み合わせで、付け合わせにたくあんが添えられます。発祥は、戦後まもなく須崎市で開業した「谷口食堂」とされます。出前のラーメンが冷めないよう、ホーロー鍋に入れて届けたのが始まりで、やがて土鍋に変わったといいます。須崎市内で鍋焼きラーメンを出す店は、2011年3月末時点で40軒あまりとされます。食べ終わりにご飯を入れて雑炊にする人も多く、土鍋のふたを取り皿のように使って味わう人もいます。
発祥
須崎市によると、発祥は戦後まもなく開業した「谷口食堂」(店主・故谷口兵馬さん)とされます。出前で普通のどんぶりを使うと冷めてしまうため、ホーロー鍋に入れて届けたのが始まりで、その後土鍋に変わっていきました。当時は「鍋焼き中華そば」と呼ばれ、「鍋中(なべちゅう)」の愛称で親しまれたと紹介されています。
歴史
谷口食堂は1980年(昭和55年)、後継者がいないため閉店しました。しかし、その味を受け継ぐ店が市内に増え、現在の店のほとんどは谷口食堂の流れをくむとされます。2002年(平成14年)には、須崎商工会議所を中心に有志団体「須崎名物『鍋焼きラーメン』プロジェクトX」が結成されました。団体は谷口食堂の末裔や常連客への聞き取りからレシピを復活させ、2013年に新横浜ラーメン博物館へ期間限定で出店しています。
特徴
プロジェクトXは、鍋焼きラーメンの「7つの定義」を定めています。親鳥の鶏ガラ醤油スープ、やや硬めの細いストレート麺、親鳥の肉・ねぎ・ちくわ・生卵の具、土鍋(ホーローや鉄鍋も可)の器、沸騰した状態での提供、たくあんの添え物などです。団体が復活させた谷口食堂の味では、スープも具も親鳥を使い、ちくわには地元「けんかま」のものを使っています。
主な食材
食文化
須崎では鍋焼きラーメンを家庭で作る人も多く、店で麺とスープを買い、自宅の土鍋で調理することもあるそうです。卵を崩さず最後に半熟で味わう、最初に崩して麺に絡めるなど、食べ方は人それぞれです。須崎市のご当地キャラクター「しんじょう君」も、鍋焼きラーメンをモチーフにしています。
有名店
橋本食堂
高知県須崎市横町4-19
1975年(昭和50年)創業の鍋焼きラーメンの老舗です。鶏ガラに地元の蔵元の醤油を合わせたスープで、表面に鶏油が浮きます。2020年の記事では普通580円、大680円、特大800円と紹介され、別の旅行ガイドでは並630円とされています。ご飯を頼んで雑炊にする客も多い店です。
詳細を見る →まゆみの店
高知県須崎市栄町10-14
発祥の谷口食堂の味の再現を掲げる鍋焼きラーメン専門店です。注文時にスープの濃さや麺の硬さを選べ、キムチやカレーの鍋焼きラーメンもあります。旅行ガイドでは鍋焼きラーメン(並)が950円と紹介されています。水曜定休で、売り切れ次第閉店します。価格は変わることがあります。
詳細を見る →すさき駅前食堂
高知県須崎市原町1-5-20
JR須崎駅から歩いて1分の食堂で、NPO法人が運営しています。野菜や果物を5〜6時間煮込んだ鶏ガラ醤油スープが特徴で、柚子ポン酢で食べるちりめん丼とのセットもあります。2020年の記事では並660円と紹介されています。食べ方ガイドも置いています。
詳細を見る →鍋焼きラーメンのがろ~ 須崎本店
高知県須崎市鍛治町7-15
親鳥と魚介のだしを合わせたWスープが特徴の店で、須崎市内では珍しくキャベツが具に入ります。2020年の記事では、親どりの鍋焼きラーメンが880円と紹介されています。高知市北御座の「とさのさと アグリコレット」内にも店舗があります。価格は変わることがあります。
詳細を見る →よくある質問
Q. 鍋焼きラーメンは、なぜ土鍋で出されるのですか?
A. 発祥の谷口食堂が、出前のラーメンを冷めないように届けるため、どんぶりの代わりにホーロー鍋を使ったのが始まりとされます。その後、器は土鍋に変わっていきました。今も、沸騰したまま出すことが鍋焼きラーメンの定義の一つとされています。
Q. おすすめの食べ方はありますか?
A. まずは何も足さずにスープと麺を味わいます。卵は最後まで崩さず半熟で楽しむ、最初に崩して麺に絡めるなど好みで選べます。熱いのが苦手な人は、黄身を土鍋のふたに取って溶き、すき焼きのように麺をつける食べ方もあると紹介されています。