そば米雑炊(そばごめぞうすい)は、徳島県三好市の祖谷(いや)地方を中心に食べられてきた郷土料理です。「そば米」とは、そばの実を粉にせず、塩ゆでしてから殻をむき、乾燥させたものです。米粒に見立てて「米」と呼ばれますが、稲の米ではありません。だしで鶏肉や野菜を煮て、しょうゆで味を整え、ゆでたそば米を加えて仕上げます。汁気が多いことから「そば米汁」とも呼ばれます。山に囲まれ米が育ちにくい祖谷では、栽培期間の短いそばが主食として育てられてきました。源平合戦に敗れて祖谷に逃れた平家の人々が、正月にこの料理を食べたという言い伝えもあります。現在は県内のスーパーでもそば米が売られ、家庭でも作られています。
発祥
農林水産省の紹介によると、源平合戦に敗れた平家の人々が、山に囲まれ米が育ちにくい祖谷地方に逃れたとされます。そこで米の代わりに、栽培期間の短いそばを育てて食べる習慣が定着したと言われています。そばの実を粉にせず、米のように粒のまま煮て食べる工夫から、そば米雑炊が生まれました。これらは伝承であり、具体的な年代は記されていません。
歴史
平家の人々は、正月にそば米雑炊を作って食べたと伝えられています。具は主に野菜や山菜で、ごちそうとして山鳥を入れることもあったようです。祖谷を含む徳島県西部の山間部では、急な斜面でそばなどの雑穀を育てる農業が続けられ、2018年に「にし阿波の傾斜地農耕システム」として世界農業遺産に認定されました。徳島県はパンフレット「とくしまの郷土料理」でこの料理を紹介しています。
特徴
そば米は、ゆでると4倍以上にふくらむとされます。まず、そば米をたっぷりの湯で10〜15分ほどゆで、水洗いしておきます。煮干しや干ししいたけのだしで、鶏肉、にんじん、こんにゃく、ちくわ、干ししいたけなどを煮ます。薄口しょうゆとみりんで味を付け、ゆでたそば米を加えて、青ねぎを散らします。だしに鶏がらや昆布を使ったり、大根を入れたりと、家庭によって作り方はさまざまです。
主な食材
食文化
そば米雑炊は、三好市祖谷地域だけでなく、徳島県内全域で食べられています。そば米は県内のスーパーなどで手軽に買えます。そばはたんぱく質やミネラル、食物繊維が豊富なため、栄養バランスのとれた料理とされています。
家庭料理との違い
家庭では、手に入る野菜や鶏肉で手軽に作られ、だしや具は家ごとに異なります。近年はフリーズドライのそば米雑炊も売られ、湯を注ぐだけで食べられます。祖谷の店では、地元で作られる固い岩豆腐(いわどうふ)を入れるなど、山里らしい具を使ったそば米雑炊を出すところもあります。
有名店
そば道場
徳島県三好市東祖谷落合651
祖谷産のそばにこだわるそば処です。祖谷川上流の冷たい水と、石臼でひいたそば粉を使うと紹介されています。観光ガイドの掲載では、そば米雑炊が400円程度とされています。予約制のそば打ち体験もあり、料金は1人2,500円とされています。
清流のそば処 祖谷美人 渓谷店
徳島県三好市西祖谷山村善徳9-3
祖谷の渓谷を望む食事処で、祖谷そばとあわせてそば米雑炊を出しています。観光ガイドの掲載では、鶏肉や野菜、岩豆腐が入ったそば米雑炊が1,000円程度とされています。アメゴの塩焼きなど、祖谷の郷土料理も味わえます。
| つるぎのそば米(つるぎ雑穀生産販売組合) | 徳島県つるぎ町の組合が販売する、町内産のそばを使ったそば米である。つるぎ町は世界農業遺産「にし阿波の傾斜地農耕システム」の地域に含まれる。紹介記事では、150g入りが通販サイトで税込1,200円程度とされている(2024年1月時点)。 |
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よくある質問
Q. そば米は米の一種ですか?
A. いいえ。そば米は、タデ科のそばの実を粉にせず、ゆでて殻をむき、乾燥させたものです。米粒に見立てて「そば米」と呼ばれていますが、イネ科の米ではありません。そばの実そのものなので、そばアレルギーのある人は注意が必要です。