
汁なし担担麺は、広島市を中心に広まったご当地麺です。どんぶりの底にラー油やしょうゆなどを合わせたタレを入れ、ゆでた中細麺をのせます。その上に甜麺醤(テンメンジャン)で炒めた肉みそ、刻んだねぎ、たっぷりの花椒(ホアジャオ、中国の山椒)を盛り付けます。最大の特徴は、花椒が生む、舌がしびれるような辛さです。中国四川省の汁なし担担麺をもとに、2000年代初めに広島市で生まれました。その後、専門店が次々と開業し、広島市内には100店前後が集まるといわれます。運ばれてきたら、底のタレが残らないように20〜30回ほどよく混ぜてから食べるのが基本です。今では冷凍食品やカップ麺も発売され、広島の新しい名物として県外にも知られています。
発祥
広島の汁なし担担麺の元祖とされるのは、2001年に広島市中区舟入川口町で始まった「きさく」です。店はもともとラーメン店でしたが、客足が伸びず、閉店も考えていたといわれます。店主は中国人留学生との縁から四川省へ渡り、現地で汁なし担担麺を食べ歩いて研究しました。そうして花椒のしびれを効かせた一杯を完成させ、汁なし担担麺の店へと切り替えたと伝えられています。
歴史
2009年12月に開業した「中華そば くにまつ」は、自家製麺とレシピの公開で知られます。2010年ごろからの第二のブームを引っ張ったのがこの店とされます。2012年には、きさくの味に驚いた創業者が「キング軒」を開きました。きさく、くにまつ、キング軒の3店は、広島式汁なし担担麺の「御三家」とも呼ばれます。その後は東京など県外への出店や、冷凍食品・カップ麺の発売も相次ぎ、広島の名物として定着しました。
特徴
一般的な担担麺は、ごまの風味とスープが主役です。広島の汁なし担担麺は汁がなく、主役は花椒のしびれる辛さです。辛さは店ごとに段階を選べることが多く、0辛から4辛程度まで用意されています。花椒の量を選べる店や、卓上に花椒を置く店もあります。広島特産の観音ネギの風味や、かん水が少なめの中細麺もよく見られる特徴です。温泉卵をトッピングすると、辛さがまろやかになります。
主な食材
食文化
食べ終わった後、残ったタレに白ご飯を入れて混ぜる食べ方が広く定着しています。これは店主の発案ではなく、客が始めたのがきっかけといわれます。白ご飯を用意している店も多く、最後の一口までタレを味わえます。
有名店
きさく
広島県広島市中区舟入川口町5-13 佐々木ビル1階
広島の汁なし担担麺の元祖とされる店です。ごまを使わず、煮干し・昆布・鶏ガラのスープを少し加えたタレが特徴です。辛さは食券を買うときに半量や1.5倍などに調整できます。2023年の取材記事では、温玉入りが680円(税込)と紹介されています。水曜定休です。
中華そば くにまつ 八丁堀本店
広島県広島市中区八丁堀8-10 清水ビル1階
2009年開業の人気店で、自家製の中細麺が特徴です。辛さは0〜4辛から選べ、注文から短い時間で提供されます。2022年の旅行情報サイトでは、汁なし担担麺(2辛)が600円(税込)と紹介されています。日曜定休です。
汁なし担担麺専門 キング軒 本店
広島県広島市中区大手町3-3-14 武本ビル1階
2012年創業の汁なし担担麺専門店です。独自にブレンドした山椒と熟成ラー油を使う自家製のタレを、かための細麺にからめます。辛さは1〜4辛から選べ、子ども向けの0辛もあります。東京にも店舗があります。
| キング軒 汁なし担担麺(ひまわりフーズ) | キング軒の麺を作るひまわりフーズ(廿日市市)が、店の監修で商品化した常温保存の汁なし担担麺である。箱には宮島の鳥居があしらわれている。広島市の認定品紹介では2食入り972円(税込)とされ、広島駅や県内の高速道路のサービスエリアなどで買える。購入先を見る →PR |
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よくある質問
Q. 広島の汁なし担担麺と、千葉県の勝浦タンタンメンは同じ料理ですか?
A. どちらも「タンタンメン」を名乗るご当地麺ですが、別の料理です。勝浦タンタンメンは、ラー油を効かせた醤油味のスープに玉ねぎとひき肉を合わせた、汁のある麺です。広島の汁なし担担麺は汁がなく、花椒のしびれる辛さが主役です。