
しまね和牛は、島根県内で育った去勢・未経産の黒毛和種の総称です。出雲地方の山間部では古くからたたら製鉄が盛んで、鉄を運ぶために多くの牛馬が飼われたことが、和牛産地として知られる下地になりました。和牛の改良成果を競い「和牛のオリンピック」とも呼ばれる全国和牛能力共進会(全共)では、内閣総理大臣賞を2度受けています。2022年の第12回大会では、総合評価群の6区で肉質評価1位となりました。県内にはいずも和牛、奥出雲和牛、隠岐牛、松永牛などの地域・生産者ブランドがあります。上位の肉質のものは「しまね和牛肉」として、協議会の指定店で販売されています。穀物飼料で2年近くかけて仕上げられ、鮮やかな色合いときめ細かな霜降りが特徴とされます。
発祥
しまね和牛肉ブランド確立推進協議会によると、江戸時代の松江藩は雌牛を買い上げ、仁多・大原・飯石・神門などの各郡の農家に飼育させていました。牛糞を田畑の肥料として生かすことが目的だったとされます。また、たたら製鉄の主要産地だった出雲地方の山間部では、鉄の輸送手段として多数の牛馬が欠かせませんでした。こうして牛の飼育が暮らしに根づき、やがて肉用牛として改良されていきました。
歴史
島根県立図書館の回答(レファレンス協同データベース)では、内閣総理大臣賞を受けたのは2つの大会とされています。1977年の第3回全共(宮崎県)と、1987年に島根県宍道町で開かれた第5回全共です。第5回では肉牛の部で富桜号が受賞しました。県は2019年に知事をトップとする協議会を設けて対策を強め、2022年の第12回鹿児島大会では6区で肉質評価1位・総合評価3位となり、脂肪の質の特別賞も受けました。
特徴
大麦やとうもろこしなどの穀物飼料を与え、2年近くかけてじっくり仕上げられます。鮮やかな色合いときめ細かな霜降り、深いコクと豊かな風味が特徴とされます。県は名牛「第7糸桜」の流れをくむ種雄牛「暁之藤(あきのふじ)」を基幹種雄牛に選び、改良を続けています。2026年には、サシの量だけでなくおいしさを重視する新たなブランド戦略「旨し縁(うましえにし)」の準備を進めていると発表しました。
主な食材
食文化
奥出雲町では古くから稲作と和牛の飼育が盛んで、「仁多米」や「奥出雲和牛」の名でブランド化が進められています。県内には、出雲市の藤増牧場や雲南市のJAしまね吉田肥育センターのように全共へ出品する生産者があります。益田市の松永牧場は全国肉用牛枝肉共励会で最高位の名誉賞を3度受けています。
有名店
肉の藤増ストアー
島根県出雲市知井宮町973
出雲市の藤増牧場が育てたしまね和牛を扱う精肉店で、しまね和牛肉の指定店です。藤増牧場は第12回全共の6区にも出品しました。サーロインやロース、モモの切り落としなどを、店頭のほかオンラインショップでも扱っています。
詳細を見る →焼肉レストラン味道園
島根県松江市東朝日町78-7
JR松江駅から徒歩5分ほどの焼肉店で、しまね和牛肉の指定店です。しまね和牛のうち4級と5級に格付けされた肉だけを仕入れています。2025年の記事では、名物の「焼きしゃぶ」が2,950円と紹介されています。水曜定休です。
島根ワイナリー(バーベキューハウス シャトー弥山)
島根県出雲市大社町菱根264-2
ワイナリーに併設されたバーベキューハウスで、しまね和牛をバーベキュースタイルで味わえます。しまね和牛肉の指定店です。営業は11時から17時30分(土日祝は18時30分まで)で、試飲即売館では約10種類のワインを無料で試飲できます。
よくある質問
Q. 「しまね和牛」と「しまね和牛肉」は違うものですか?
A. しまね和牛は、島根県内で育った去勢・未経産の黒毛和種の総称です。そのうち上位の肉質で一定の規格を満たしたものが「しまね和牛肉」と呼ばれ、しまね和牛肉ブランド確立推進協議会の指定店で販売されています。