
群馬県桐生市を中心に親しまれるソースカツ丼は、揚げたてのとんかつをウスターソースベースの特製だれにくぐらせ、卵でとじずにご飯へのせる、いわゆる「ソースカツ丼」文化圏を代表する郷土の味です。1926年創業の桐生市の食堂「志多美屋」が、うなぎのたれにウスターソースを合わせた独自のたれを考案したのが始まりとされ、織物業で栄えた桐生では冷めてもおいしいソースカツ丼が出前の定番として広まりました。現在も桐生市内で「カツ丼」といえば卵とじではなくソースカツ丼を指すほど生活に根づいており、「桐生ソースかつ丼会」が結成されるなど、地域を挙げてご当地グルメとして発信されています。使用するソースの配合や肉の部位に明確な決まりはなく、店や家庭ごとの違いを食べ比べる楽しみもあります。
発祥
ソースカツ丼のルーツは、渡良瀬遊水地周辺でうなぎの卸業を営んでいた家系が桐生市で開いた食堂にあるとされます。うなぎのたれを生かした新しいメニューを考えるなかで、ウスターソースを絶妙に配合した特製だれを考案し、揚げたてのとんかつにくぐらせてご飯にのせる料理として提供したのが始まりと伝えられています。
歴史
1926年に創業した桐生市の「志多美屋」が元祖とされ、以来、織物業で栄えた桐生の町で親しまれてきました。冷めてもおいしく食べられる特性から、機織り職人たちの出前需要に応える料理として定着し、家庭でも作られるようになりました。現在は「桐生ソースかつ丼会」が結成され、地域を挙げてご当地グルメとしてPRされています。
特徴
「桐生ソースかつ丼会」では、豚肉を使い、揚げたてのカツをウスターソースベースのたれにくぐらせ、丼に盛ったご飯にのせる料理と定義しています。卵でとじないのが最大の特徴で、使用する肉の部位やたれの配合には決まりがなく、店や家庭ごとに味わいが異なります。群馬県が豚肉の名産地であることも、この料理が根づいた背景のひとつです。
主な食材
食文化
織物業が盛んだった桐生では、冷めてもおいしいソースカツ丼が職人たちの出前として重宝されました。現在も「カツ丼」といえば卵とじではなくソースカツ丼を指すほど、地域の暮らしに根づいています。
家庭料理との違い
家庭では市販のソースで手軽に仕上げることが多い一方、専門店ではうなぎのたれの技法を応用した店独自の配合のたれを使い、揚げたてのカツをくぐらせる工程にこだわるなど、味の奥行きに違いがあります。
有名店
志多美屋 本店
群馬県桐生市浜松町1-1-1
1926年(大正15年)創業、桐生ソースカツ丼の元祖とされる老舗食堂。ヒレ肉4個入りのソースかつ丼セットは940円程度で、みそ汁や香の物が付く。
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