
砂丘らっきょうは、鳥取砂丘に隣接する鳥取市福部町(ふくべちょう)の砂丘畑で育つらっきょうと、その漬物です。らっきょうは小さな球根状の部分を食べる野菜で、甘酢漬けにするのが一般的です。砂丘畑は地力が低く、厚い砂の層で余分な水分や栄養がたまりにくいため、身が締まって色白に育ちます。シャキシャキとした歯切れの良さが市場で高く評価され、2016年3月に「鳥取砂丘らっきょう」「ふくべ砂丘らっきょう」として地理的表示(GI)に登録されました。収穫は5月下旬から6月中旬で、根付きや洗いらっきょうとして出荷されるほか、甘酢漬けなどの加工品として一年中販売されています。10月下旬から11月上旬には、約120ヘクタールの畑に薄紫色の花が一斉に咲き、砂丘の秋の風物詩になっています。
発祥
鳥取のらっきょうは、江戸時代に参勤交代の付き人が江戸から持ち帰ったのが始まりと伝えられます。江戸の小石川(こいしかわ)の薬園から持ち帰ったともいわれます。福部の砂丘地はかつて桃や桑を植えた丘でしたが、水を保つ力が弱く、果実が小さくしか育ちませんでした。干ばつに強いらっきょうはこの土地に合い、丘を整地して畑を広げてきました。
歴史
本格的な栽培は大正3年(1914年)に始まり、産業組合もできて販売に取り組むようになりました。昭和40年(1965年)ごろ、市場価格の暴落をきっかけに農協が加工事業を始め、塩漬けや味付けの加工品にすることで出荷を調整しました。昭和52年(1977年)にはスプリンクラー施設が完成しています。2005年に「砂丘らっきょう」が商標登録され、2016年3月に地理的表示(GI)に登録されました。
特徴
鳥取砂丘らっきょうは「らくだ種」という品種で、やや細長い卵形をしています。鱗片(りんぺん)の厚みがそろっているため、かみ始めからかみ終わりまで歯切れが良いとされます。植え付けは主に7月下旬から8月に行い、すべて手作業です。真夏の砂地で、一つ一つ球を植えていきます。翌年の5月下旬から6月中旬に収穫する「2年子(ねんご)栽培」が定着しています。
主な食材
食文化
花の季節には、花が咲く畑の道を走る「らっきょう花マラソン大会」や、畑で加工品を販売する「らっきょう花フェア」などが開かれてきました。紫のじゅうたんのような畑は、鳥取砂丘を訪れる人にも親しまれる景色です。
家庭料理との違い
昔ながらの「本漬け」は、2週間以上塩漬けにしてから塩抜きし、甘酢などに漬け直す方法です。家庭向けには塩漬けを省いた「簡単漬け」も紹介されており、当日から食べられますが冷蔵保存が必要です。味付けは甘酢のほか、塩やしそ、黒酢などさまざまです。
有名店
砂丘会館
鳥取県鳥取市福部町湯山2164
鳥取砂丘の入り口近くにある、土産物の売店とレストランの施設です。鳥取の銘菓や特産品を多くそろえ、砂丘らっきょうの漬物などの加工品も扱っていると紹介されています。営業時間は9時から17時とされています。
| 砂丘らっきょう(JA鳥取いなば) | JA鳥取いなばが商標登録しているブランドのらっきょう加工品です。甘酢漬けのほか、塩味やたまり風味などの味があります。味付漬物としての砂丘らっきょうは、2011年に地域食品ブランド表示制度「本場の本物」に認定されています。 |
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よくある質問
Q. 砂丘らっきょうは鳥取砂丘の中で育てているのですか?
A. 観光地の鳥取砂丘そのものではなく、隣接する福部町の砂丘畑で栽培されています。地理的表示の生産地も「鳥取砂丘に隣接した砂丘畑」と定められています。鳥取砂丘は国立公園の特別保護地区で、畑は砂丘の東側に広がっています。