尾道ラーメン

Onomichi Ramen

尾道ラーメン 1

画像: Wikimedia Commons

尾道ラーメンは、広島県尾道市を中心に食べられているご当地ラーメンです。醤油ベースのすっきりしたスープに豚の背脂のミンチを浮かべ、平打ちの麺を合わせるのが基本の形とされます。スープは鶏ガラを主体に、瀬戸内の小魚の煮干しなど魚介のだしを合わせる店が多くあります。背脂の甘みとコクが加わりながらも、見た目より後味はあっさりしているのが魅力です。尾道では古くから「中華そば」と呼ばれる麺料理が、屋台や食堂で親しまれてきました。「尾道ラーメン」という呼び名が全国に広まったのは1990年代以降で、土産用ラーメンの販売がきっかけの一つとされます。尾道駅周辺や商店街には老舗から新しい店までが集まり、坂と寺の町を歩く観光客にも人気です。店ごとにスープや麺に個性があり、背脂を使わない昔ながらの中華そばの店もあります。

発祥

尾道のラーメンの始まりには諸説あります。1928年(昭和3年)に、中国・福建省出身の張という人物が露店で売り歩いたのが始まりとする説があります。一方で、戦後の1947年ごろに台湾出身の朱阿俊が屋台で出した中華そばを源流とする説も広く知られています。朱の屋台はのちに店を構えて「朱華園」となり、醤油スープに平打ち麺、背脂をのせた一杯で人気を集めました。

歴史

朱華園の味は市内のほかの店にも影響を与え、尾道の中華そばの一つの型になったとされます。1990年代には、福山市鞆の浦の食品メーカー阿藻珍味が、鶏ガラスープに瀬戸内の小魚のだしを合わせた土産用の「尾道ラーメン」を売り出しました。これを機に同じ系統の店が増え、名前が全国に知られるようになりました。朱華園は2019年に閉店しましたが、翌2020年には経営者の親族が「朱」を開いています。

特徴

スープは鶏ガラを主体に、イリコ(煮干し)やムロアジなど瀬戸内の小魚のだしを合わせ、醤油だれで味を付ける店が多くあります。豚骨や昆布、かつお節を加える店もあります。表面に浮かぶ背脂は、豚の背の脂身をミンチ状にしたもので、スープに甘みとまろやかさを加えます。麺は中細の平打ち麺が多いものの、ストレートの細麺を使う店もあります。

主な食材

中華麺(平打ち麺)鶏ガラ瀬戸内の小魚の煮干し醤油だれ豚の背脂チャーシューねぎ

食文化

尾道の古くからの店では「中華そば」の名で出すことが多く、かき揚げをのせた「てんぷら中華」を出す店もあります。尾道ラーメンを名乗る店は隣の福山市など周辺地域にも多く、「尾道・福山ラーメン」と呼ぶべきだという意見もあります。

有名店

つたふじ 本店

広島県尾道市土堂2丁目10-17

屋台から始まり60年以上の歴史をもつとされる、尾道本通り商店街の中華そば店です。魚介だしのマイルドな醤油スープが特徴で、旅行情報サイト(2024年更新)では中華そば(並)が650円と紹介されています。カウンター11席の小さな店で、売り切れ次第閉店とされます。

めん処みやち

広島県尾道市土堂1丁目6-22

創業70年以上とされる老舗で、あっさりしながらもコクのあるスープが特徴です。かき揚げをのせた「てんぷら中華」が看板メニューで、旅行情報サイト(2024年更新)では並が780円と紹介されています。

中華そば 朱

広島県尾道市十四日元町6-16

2019年に閉店した朱華園の味とメニューを受け継ぐ店として知られ、尾道市役所の近くにあります。中華そばのほか、ワンタン麺や焼きそばもあり、焼きそばに中華そばのスープが付くことでも評判です。

阿藻珍味 尾道ラーメン福山市鞆町の食品メーカー阿藻珍味が製造する、常温保存できる生ラーメンである。瀬戸内の小魚でだしをとった、あっさりした醤油味のスープが付く。尾道や福山の土産店のほか通販でも買え、4食入りは販売先により1,200〜1,400円程度で紹介されている。

よくある質問

Q. 尾道ラーメンの元祖はどの店ですか?

A. 一つに決めるのは難しいとされます。戦後の屋台から始まった朱華園をルーツとする系統と、1990年代に土産用ラーメンで名前を広めた阿藻珍味をルーツとする系統の二つがあるといわれます。現在一般に「尾道ラーメン」という場合は、後者の系統を指すことが多いともいわれます。

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