おいり

Oiri (Pastel-Colored Rice Puffs Given at Weddings)

おいり 1

画像: Wikimedia Commons

おいりは、香川県西部の西讃(せいさん)地方を中心に伝わる、もち米で作る小さな玉状のあられです。直径1cmほどの丸い粒で、桃色、緑、白、水色などのやわらかなパステル調の色をしています。中は空洞で、口に入れるとふわっと溶ける軽い食感があり、甘さはひかえめです。西讃地方では昔から嫁入りの菓子として知られ、花嫁が嫁ぎ先の近所へ配ったり、結婚式の引き出物にしたりしてきました。讃岐の領主だった生駒親正(いこまちかまさ)の姫が嫁入りするとき、農民が五色のあられを献上したのが始まりという言い伝えがあります。近年は出産や新築などの祝い菓子としても使われ、ソフトクリームやケーキの飾りとしても人気が広がっています。

発祥

1587年(天正15年)ごろ、讃岐の領主となった生駒親正の姫が嫁入りする際に、領内の農民が五色のあられを煎って献上したことが始まりという言い伝えがあります。姫に喜ばれたことから広まったとされます。生駒親正は丸亀城を築いた人物で、丸亀の菓子として語られることもあります。ただし、山下おいり本舗もこれを一説として紹介しており、確かな記録は確認されていません。

歴史

四国新聞社の紹介では、もとは紅白の2色だったものが、今は5色が主流になったとされます。花嫁は、穏やかな心でまめに働くという誓いを込めておいりを持参し、近所や子どもたちに配ったといわれます。最盛期には多くの和菓子店が作っていましたが、今では専門店は山下おいり本舗だけとされます。1990年ごろからメディアで取り上げられ、県外にも知られるようになりました。

特徴

作るには手間がかかります。もち米を一晩水に浸して蒸し、砂糖を加えてつきます。熱いうちに薄く伸ばして天日で干し、小さなさいの目に切ってさらに乾かします。これを煎ると、ふくらんで丸い玉になります。色ごとに着色して味をつけ、最後に混ぜ合わせて仕上げます。加熱と乾燥の加減を誤るときれいにふくらまないとされ、完成までに1週間ほどかかると紹介されています。

主な食材

もち米砂糖

食文化

西讃地方では婚礼に欠かせない菓子で、嫁ぎ先の近所へのあいさつ回りで配るほか、引き出物にも使われます。配るときには、おいりを平たくした「小判菓子(おいり小判)」が数枚添えられることも多いとされます。今は出産や初節句、新築祝いにも使われています。

有名店

山下おいり本舗

香川県三豊市高瀬町新名1018-20

江戸時代後期に創業し、明治以降は代々菓子を作ってきた店で、現在はおいりの専門店です。6代目が従来の5色に2色を加え、7色のおいりにしたと紹介されています。公式サイトでは、30g入りの小袋が400円台、65g入りが600円台で案内されています。

詳細を見る →

御菓子司 じょうと

香川県三豊市豊中町比地大845-1

三豊市豊中町の和菓子店で、お祝い用の菓子としておいりを扱っています。店のサイトでは、おいりを香川県西部から愛媛県西条市以東で作られる、直径1cmほどの玉状のあられと紹介しています。

詳細を見る →

よくある質問

Q. 「おいり」という名前はどういう意味ですか?

A. あられを火で「煎(い)る」ことと、お嫁に「入る」ことをかけて、「おいり」と呼ぶようになったとされます。もち米の生地を煎ってふくらませる作り方と、嫁入りの菓子であることの両方を表した名前です。

Q. 香川県全体で、嫁入りにおいりを配るのですか?

A. おいりを嫁入りに使う風習は、主に香川県西部の西讃地方に伝わるものです。香川県の資料でも、西讃地方に昔から伝わるお嫁入りの菓子として紹介されています。愛媛県西条市から東の地域にも同じような風習があり、「おいり豆」とも呼ばれます。

#おいり#嫁入り菓子#あられ#もち米#西讃#三豊市#生駒親正#祝い菓子