長崎ちゃんぽん

Nagasaki Champon (Pork-and-Seafood Noodle Soup)

長崎ちゃんぽん 1

画像: Wikimedia Commons

長崎ちゃんぽんは、豚肉や魚介、キャベツ、モヤシなどをラードで炒め、スープを注いで麺ごと煮込む長崎県の麺料理です。1899年(明治32年)、長崎の中華料理店「四海樓(しかいろう)」の創業者・陳平順(ちんへいじゅん)が、中国人留学生らのために考案したのが始まりとされます。安くて栄養があり、量も多い料理を目指したと伝えられています。スープは豚骨と鶏ガラを合わせたものが主流です。麺には「唐灰汁(とうあく)」というかん水の一種を練り込んだ、長崎独特のちゃんぽん麺を使います。ゆでた麺にスープをかけるラーメンと違い、麺を具材と同じ鍋で煮込むため、中華鍋ひとつで作れます。長崎で「はんぺん」と呼ばれる紅白のかまぼこが入るのも特徴です。家庭や給食、食堂でも日常的に食べられ、長崎を代表する郷土の味として全国に知られています。

発祥

四海樓の公式サイトによると、福建省出身の陳平順は1899年(明治32年)、唐人屋敷跡の広馬場町に店を開きました。長崎に来ていた中国人留学生や華僑のため、安くて栄養のある料理として考えたのがちゃんぽんとされます。農林水産省は、福建料理の「湯肉絲麺(とんにいしいめん)」がルーツだと紹介しています。豚肉や椎茸、筍を入れたあっさりした麺を、濃いめのスープと豊富な具で日本風にアレンジしたものです。

歴史

四海樓によると、当初はメニューにない料理で「支那饂飩(しなうどん)」と呼ばれていました。長崎市の情報誌「ナガジン」は、「ちゃんぽん」と呼ばれるようになったのは明治後期ごろのようだと紹介しています。手軽に作れて栄養もあることから、長崎の家庭や飲食店に広まりました。やがて県内の各地にも伝わり、雲仙市の小浜(おばま)温泉では独自のちゃんぽんが育ちました。四海樓は1973年(昭和48年)に松が枝町へ移転しました。

特徴

具材は豚肉、イカ、エビ、紅白のかまぼこ、キャベツ、ネギ、モヤシなどが一般的です。夏はアサリ、冬はカキと、季節で貝が変わる店もあります。作り方は、中華鍋でラードを熱して肉や野菜を炒め、スープを加えてから麺を入れます。具材から出たうまみがスープに溶け、そのスープを麺が吸うのが持ち味です。好みで生卵をのせたり、白コショウをかけたりして食べることもあります。

主な食材

ちゃんぽん麺(唐灰汁麺)豚肉イカ・エビアサリ(夏)・カキ(冬)紅白のかまぼこ(はんぺん)キャベツ・モヤシ・ネギ豚骨・鶏ガラのスープラード

食文化

長崎ではちゃんぽんを、中華料理店だけでなく、給食や社員食堂、大衆食堂でも食べます。ナガジンによると、食べる機会が一番多いのは昼食です。ちゃんぽんには炒飯(焼飯)を合わせる人が多いとされます。農林水産省も、発祥以来、長崎で日常的に食べられる家庭料理になったと紹介しています。

家庭料理との違い

店では、豚骨や鶏ガラを5〜6時間ほど煮込んだスープを使う例がナガジンで紹介されています。注文ごとに中華鍋で2分ほどで仕上げる手際も店の味の要です。家庭では、市販のちゃんぽん麺に鶏ガラスープの素などを合わせて作るのが手軽で、農林水産省のレシピもこの方法です。

有名店

中華料理 四海樓

長崎県長崎市松が枝町4-5

1899年創業で、ちゃんぽんと皿うどんの発祥の店とされます。2階には店とちゃんぽんの歴史を紹介する「ちゃんぽんミュージアム」があり、無料で見学できます。旅行ガイドでは、ちゃんぽんが1,430円と紹介されています。レストランの予約は受け付けていません。価格は変わることがあります。

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中国菜館 江山楼 中華街本店

長崎県長崎市新地町12-2

1946年(昭和21年)に王玉官・梅瑛夫妻が新地中華街に開いた店が始まりです。名物の特上ちゃんぽんは、フカヒレや帆立など多くの具が入る豪華版です。近くの中華街新館を紹介した2025年の記事では、特上ちゃんぽんが2,750円とされています。価格は変わることがあります。

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みろくやの長崎ちゃんぽん長崎駅前の「長崎街道かもめ市場」に店を構えるご当地土産麺の店で、ちゃんぽんや皿うどんを自社で製造・販売しています。スープ付きのちゃんぽんと皿うどんの詰め合わせは、ふるさと納税の返礼品としても扱われています。購入先を見る →PR

よくある質問

Q. 「ちゃんぽん」という名前は、どこから来たのですか?

A. 諸説あります。四海樓は、長崎の華僑が使っていた福建語の挨拶「シャポン」「セッポン」(ご飯を食べるの意)が由来だとしています。ほかに、中国の鉦(かね)の「チャン」と日本の鼓(つづみ)の「ポン」を合わせた説、ポルトガル語由来の説なども紹介されています。

Q. 唐灰汁(とうあく)とは何ですか?

A. 炭酸ナトリウムや炭酸カリウムからなる、かん水の一種です。ナガジンによると、昭和初期に上海から長崎に伝わりました。製造には許可が必要で、国内では長崎でだけ作られているとされます。長崎特有のちまきにも使われ、ちゃんぽん麺独特の風味のもとになっています。

Q. 長崎ちゃんぽんと小浜ちゃんぽんは、何が違うのですか?

A. 農林水産省は、豚骨主体の濃いめのスープの長崎ちゃんぽんと、鶏ガラ主体のあっさりしたスープの小浜ちゃんぽんを、県内の二大ちゃんぽんと紹介しています。小浜ちゃんぽんは大正時代に小浜温泉へ伝わったとされ、地元の旅館組合がイベントを開くなど、地域おこしにも生かされています。

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