身延ゆば

Minobu Yuba

身延ゆば 1

身延ゆばは、日蓮宗の総本山・身延山久遠寺(くおんじ)の門前町として栄えた山梨県身延町に伝わる湯葉です。豆乳を温めたときに表面にできる薄い膜を引き上げたもので、引き上げたままの生ゆばと、乾かした乾燥ゆばがあります。身延町は、京都や日光と並ぶゆばの産地として知られています。始まりは鎌倉時代、日蓮聖人が身延山に入ったころとされ、弟子たちが師の体を気づかって栄養源としてつくったと伝えられます。良質な植物性たんぱく質や脂質を含むゆばは、肉や魚を使わない精進料理の大切な食材として、久遠寺とともに受け継がれてきました。生ゆばをひと口大に切り、わさび醤油でいただく刺身が人気です。町内には、ゆば料理を出す食事処や宿坊、製造直売所が点在しています。

発祥

日本のゆばは、平安時代の僧・最澄が中国から仏教や茶とともに持ち帰ったのが起源とも伝わります。身延ゆばの始まりは、1274年(文永11年)に日蓮聖人が身延山に入ったことがきっかけとされます。弟子たちが師の体を気づかい、消化吸収のよい栄養源としてゆばをつくり、差し出したと伝えられます。起源の年数は、農林水産省の紹介では約750年前、山梨県の観光情報では約700年前とされ、資料によって幅があります。

歴史

日蓮聖人が構えた庵は、のちに日蓮宗総本山の身延山久遠寺へと発展し、周りには参拝者を迎える門前町が形づくられました。ゆばは僧侶の精進料理を支える栄養源として重んじられ、寺とともに町の食文化として根づきました。久遠寺の周辺には今も数多くの宿坊があり、精進料理やゆば料理を味わえます。近年は、身延町特産の「あけぼの大豆」を使ったゆばも作られています。

特徴

作り方は、大豆を約半日水に浸してから砕き、釜で加熱して豆乳を濾し取ります。豆乳を専用の平鍋で温めると表面に膜ができ、これを棒で引き上げると生ゆばになります。乾燥させたものが乾燥ゆばで、日持ちがして料理に使いやすいのが利点です。生ゆばは製造元によって厚さや硬さ、味わいがさまざまで、食べ比べも楽しめます。大豆の甘みとなめらかな舌ざわりが、身延ゆばの持ち味です。

主な食材

大豆(身延町特産のあけぼの大豆など)水

食文化

最も人気のある食べ方は、生ゆばをひと口大に切り、わさび醤油やしょうが醤油で食べる刺身です。そのほか酢の物や和え物、汁物、煮物など、さまざまな料理に使われます。久遠寺の門前に続く門内商店街や、身延駅前のしょうにん通りでも、ゆば料理を味わえます。

家庭料理との違い

家庭では生ゆばを刺身にしたり、乾燥ゆばを汁物や煮物に加えたりして使います。身延の食事処や宿坊では、刺身に加えて揚げゆばや御膳仕立ての料理など、ゆばを主役にした献立が用意されています。宿坊では、ゆばを使った精進料理のコースも味わえます。

有名店

みのぶ ゆばの里

山梨県南巨摩郡身延町相又425-1

身延山の総門から国道52号を静岡方面へ約1.5kmの場所にあります。製造直売の生ゆばや地元の特産品が並ぶ売店と、食事処「清流」を備えています。ゆば定食は1,300円程度〜で、ゆばの製造体験も行われています。火曜日が定休日です。

詳細を見る →

行学院 覚林坊

山梨県南巨摩郡身延町身延3510

約550年前に開かれたと伝わる身延山の宿坊で、食事のみの利用もできます。昼の「おてらんち」は2,750円程度〜、ゆば御膳は4,000円程度〜です。宿泊すれば、ゆばをふんだんに使った料理を夕食で味わえます。

よくある質問

Q. 生ゆばと乾燥ゆばはどう違うのですか?

A. 生ゆばは豆乳から引き上げたままのもので、やわらかく大豆の風味が豊かです。刺身のようにそのまま食べるのに向いています。乾燥ゆばは生ゆばを乾かしたもので保存がきき、汁物や煮物などの料理に使われます。

Q. ゆばづくりを体験できますか?

A. 身延町の「みのぶ ゆばの里」で、ゆばの製造体験が行われています。豆乳からゆばができる様子を間近で知ることができます。料金や受付の状況は変わることがあるため、訪れる前に施設へ問い合わせると安心です。

#山梨グルメ#湯葉#精進料理#身延町#身延山久遠寺