
めはりずしは、塩漬けにした高菜の葉で大きなおにぎりを包んだ、和歌山県南部の郷土料理です。新宮市など熊野地方を中心に、隣の三重県熊野地域でも親しまれています。林業や漁業が盛んな地域で、山仕事や忙しい漁の合間に手早く食べられる弁当として広まりました。名前は「目を見張るように大きな口を開けて食べる」「目を見張るほどおいしい」ことに由来するといわれます。農林水産省によると、江戸時代中期の歌舞伎「伊勢音頭恋寝刃」にも登場します。かつては大きく握られていましたが、今は食べやすい小ぶりのものが主流です。ご飯に刻んだ高菜の茎や梅干し、かつお節などを入れることもあり、家庭や店ごとに工夫されています。新宮市には専門店もあり、熊野観光の名物としても親しまれています。
発祥
和歌山県南部は、林業や漁業が盛んな地域です。きこりや筏師(いかだし:切り出した木材を筏に組んで川を下る職人)が、仕事の合間にすぐ食べられる弁当として作ったのが始まりとされます。包む高菜は日当たりの悪い場所でも育てやすく、山間部で盛んに栽培されていました。名前の由来には「目を見張るように口を開けて食べる」「目を見張るほどおいしい」「おにぎりに目張りをするように包み込む」などの説があります。
歴史
農林水産省によると、めはりずしは江戸時代中期の歌舞伎「伊勢音頭恋寝刃(いせおんどこいのねたば)」にも登場し、古くから知られた食べ物でした。かつては作業の合間に素早く食べられるよう、大きく握られていました。昭和37年(1962年)には新宮市で「総本家めはりや」が創業し、めはり寿司をいち早く商品化したことで知られます。現在は小さく握ったものが主流となり、ご飯の具材も多様になっています。
特徴
高菜は冬から春先にかけて収穫し、1〜2月ごろに樽で塩漬けにします。この高菜を酢に漬けてから葉を広げ、握ったご飯を包みます。ご飯は白米のほか、すし飯を使うこともあります。刻んだ高菜の茎を混ぜたり、醤油で味を付けたりする店もあり、焼き魚や梅干し、しらすを具に加えることもあります。新宮市では、特に葉が大きくやわらかい高菜がとれるとされます。
主な食材
食文化
山仕事や漁の弁当として生まれためはりずしは、今も熊野地方の家庭の味として作られています。和歌山県の優良県産品「プレミア和歌山」に登録された商品もあり、駅弁や土産物としても売られています。具材を変えながら、若い世代にも受け継がれています。
家庭料理との違い
家庭では、浅漬けの高菜で白いご飯を包む素朴な作り方が基本です。専門店では、刻んだ高菜の茎を混ぜて醤油ベースのたれで味付けしたご飯を使ったり、注文ごとに温かいご飯を握ったりと、店ごとの工夫が見られます。
有名店
総本家めはりや 新宮本店
和歌山県新宮市薬師町5-6
昭和37年(1962年)創業で、めはり寿司をいち早く商品化した店として知られます。刻んだ高菜の茎を入れ、醤油ベースのたれで味付けしたご飯を、注文ごとに一つずつ握ります。4個入りのめはり寿司は560円程度です。和歌山市にも支店があります。
| 和歌山水了軒「めはり寿司」 | JR和歌山駅で売られている駅弁です。刻んだ高菜を混ぜた醤油ベースの炊き込みご飯を高菜漬けで包んだ、俵形のめはり寿司が5個入っています。甘酢しょうがが添えられています。2022年に紹介された時点の価格は600円でした。 |
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よくある質問
Q. 「めはり」とはどういう意味ですか?
A. 諸説あります。大きなおにぎりを食べるとき「目を見張るように大きく口を開ける」から、または「目を見張るほどおいしい」からという説がよく知られています。ほかに、おにぎりを高菜で目張りをするように包み込むからという説もあります。