
松山鍋焼きうどんは、愛媛県松山市で親しまれているうどんです。一人前用の小ぶりなアルミ鍋で煮て、そのまま客に出すのが特徴です。だしは瀬戸内産のいりこと昆布でとり、甘めの味わいに仕上げ、麺はやわらかめです。具は甘く煮た牛肉や刻んだ油揚げ、蒲鉾などが定番です。戦後間もない1947年(昭和22年)に開業した「アサヒ」と、1949年(昭和24年)に開業した「ことり」が草分けとして知られます。両店とも松山市湊町(みなとまち)の銀天街の近くで今も営業しています。どちらも品数が少なく、鍋焼きうどんといなりずしが中心です。昼過ぎには麺がなくなり次第閉店することも多く、地元の人に加えて観光客も訪れる、松山のソウルフードとして紹介されています。
発祥
アルミ(アルマイト)製の鍋そのものは松山の特産品ではなく、昭和のある時期まで一般的だった鍋です。その中から、うどん玉1玉がちょうど入る大きさの鍋に目をつけ、鍋焼きうどんに仕立てたのが「アサヒ」の初代店主とされます。アサヒは1947年(昭和22年)に開業し、当時の値段は30円ほどだったと紹介されています。
歴史
アサヒ開業の2年後、1949年(昭和24年)には「ことり」が銀天街裏手の小路に店を構えました。創業者の森田ハツヨさんは、戦災で市街地の大半が焼けた1940年代に、屋台のうどん店を始めたとされます。2軒はほぼ同じ時期に開店し、松山のうどん文化の草分けとして並び称されてきました。ことりは家族に受け継がれ、70年以上営業を続けています。
特徴
だしはいりこと昆布でとります。ことりは伊予灘で秋にとれるいりこと利尻産の昆布を使い、砂糖やみりんを使わずに甘みを出していると紹介されています。アサヒは、砂糖が貴重だった時代のレシピを受け継いだ、甘みの豊かなつゆが特徴とされます。ことりの麺は平たく、もっちりとやわらかい仕立てです。
主な食材
食文化
アサヒとことりはともに昼の営業が中心で、麺がなくなり次第店を閉めます。鍋焼きうどんにいなりずしを添えるのが両店の定番の組み合わせです。ことりは毎年50個ほどのアルミ鍋を新調していると紹介されており、使い込まれた鍋も店の風景の一部になっています。
有名店
鍋焼うどん アサヒ
愛媛県松山市湊町3-10-11
1947年(昭和22年)開業の老舗です。甘みの豊かなつゆに、焼きや揚げなど製法の違う練り物を合わせ、うまみを重ねています。2026年の紹介記事では、鍋焼うどんが930円、いなりずしが1個170円でした。月・火・水曜が休みで、支払いは現金のみとされています。
鍋焼うどん ことり
愛媛県松山市湊町3-7-2
1949年(昭和24年)創業で、メニューは鍋焼うどんといなりずしの2品だけです。いりこの香りを生かしたすっきりしたつゆに、甘く煮た牛肉と刻んだ油揚げがのります。2026年の紹介記事では鍋焼うどん800円、いなりずし2個300円でした。水曜が休みです。
よくある質問
Q. なぜアルミの鍋で出すのですか?
A. アルミ鍋は値段が安く丈夫で、火の通りが早いため、手早く調理して出せる効率のよい道具とされます。ことりでは、軽くて熱が伝わりやすく、すぐに沸騰する点を利点に挙げています。うどん玉1玉がちょうど入る大きさも、アサヒの初代店主が目をつけた理由とされます。