
高野山のごま豆腐は、すりつぶした白ごまを吉野葛(よしのくず)と水で練り上げ、冷やし固めた精進料理です。豆腐と名が付きますが大豆は使わず、ごまの香りとなめらかでもっちりとした口当たりが特徴です。農林水産省によると、弘法大師(空海)が約1200年前に開いた高野山で、厳しい修行の中で食べる精進料理の一つとして生まれたといわれています。肉や魚を使わない精進料理では、たんぱく質が不足しがちです。良質なたんぱく質を含むごまを効率よくとる工夫として、ごま豆腐が作られたとされます。高野山では皮をむいた白ごまを使う白いごま豆腐が主流で、わさび醤油で食べるのが一般的です。現在も宿坊の精進料理に欠かせない一品で、山上には明治や昭和初期から続くごま豆腐の老舗が店を構えています。参拝の土産としても広く親しまれています。
発祥
農林水産省「うちの郷土料理」によると、ごま豆腐は弘法大師が開いた高野山で、修行僧の精進料理として生まれたといわれています。空海が唐からごまを持ち帰ったという伝承もありますが、ごまは空海の時代より前から国内で栽培されていたとされます。また、元禄10年(1697年)刊行の『和漢精進料理抄』に記された「麻豆腐」が起源とする説もあり、由来には諸説があります。
歴史
ごま豆腐は高野山で修行する僧侶の食事に欠かせないものでした。現在も高野山の宿坊や禅寺の食事で出される、定番の精進料理です。山上の濱田屋は明治時代の創業と伝わり、角濱総本舗は昭和初期にごま豆腐の製造を始めました。昭和40年(1965年)には角濱が高温で加熱殺菌したごま豆腐を開発して特許を取り、日持ちするようになって土産品として全国に広まりました。
特徴
高野山のごま豆腐は、皮をむいた白ごまをすりつぶし、吉野本葛と水を加えて火にかけながら練り、冷やし固めて作ります。皮付きの炒りごまを使う福井県・永平寺の茶色いごま豆腐とは異なり、色が白く、ごまの風味が上品なのが特徴です。わさび醤油や酢味噌をつけて食べるのが一般的で、黒砂糖や黒蜜をかけて甘味のように味わうこともあります。
主な食材
食文化
ごま豆腐は高野山の宿坊で出される精進料理の定番です。現在は参拝の土産や、スーパーで買える身近な食品にもなっています。地元では子どもたちが、ごまの栽培からごま豆腐作りまでを学ぶ取り組みも行われています。
家庭料理との違い
家庭では練りごまを使えば、ごまをする手間を省いて手軽に作れます。高野山の老舗では、皮をむいた白ごまと吉野本葛、山の湧き水だけを使い、ていねいに練り上げることで、なめらかな舌ざわりと上品なごまの香りを引き出しています。
有名店
濱田屋
和歌山県伊都郡高野町高野山444
明治時代創業と伝わるごま豆腐の老舗です。高野山の天然の湧き水と皮をむいた白ごま、本葛だけで仕上げます。店内では1個400円程度で味わえ、持ち帰りは4個入り1,600円程度からです。売り切れ次第終了のため、予約が勧められています。
角濱ごまとうふ総本舗 大門店
和歌山県伊都郡高野町高野山230
1927年の創業以来、総本山金剛峯寺などの寺院にごま豆腐を納めてきた老舗の食事処です。高野山の入り口、大門の近くにあります。ごま豆腐を中心にした懐石は2,300円程度で、土産用のごま豆腐も購入できます。
| 大覚総本舗「高野山ごま豆腐」 | 高野山でごま豆腐を製造・販売する大覚総本舗の土産品です。和歌山県優良土産品などの推奨を受けているとされます。120gのごま豆腐が4個入りで1,579円(税込)程度、6個入りで2,249円(税込)程度から選べます。 |
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よくある質問
Q. ごま豆腐と高野豆腐は同じものですか?
A. 別の食べ物です。ごま豆腐はごまと葛で作る料理で、大豆は使いません。高野豆腐は大豆の豆腐を凍らせて乾燥させた保存食です。どちらも高野山ゆかりの精進料理として知られるため、名前が混同されやすいです。