金山寺味噌

Kinzanji Miso (Chunky Miso with Summer Vegetables)

金山寺味噌 1

画像: Wikimedia Commons

金山寺味噌は、大豆や麦、米の麹に、刻んだ瓜や茄子、生姜、紫蘇などの野菜を混ぜて熟成させた、和歌山県の伝統的な味噌です。料理に溶かす調味料ではなく、ご飯に添えたり酒の肴にしたりしてそのまま食べる「なめ味噌」(おかず味噌)の一種です。鎌倉時代、宋(中国)に渡った禅僧の覚心(法燈国師)が径山寺(きんざんじ)で製法を学び、帰国後に紀州へ伝えたという説が有力とされます。湯浅町は金山寺味噌の産地として知られ、味噌の桶にたまった汁が湯浅醤油の始まりになったともいわれます。2017年には「紀州金山寺味噌」が、和歌山県の産品として初めて地理的表示(GI)に登録されました。湯浅町には今も金山寺味噌を仕込む蔵が残っています。

発祥

覚心(法燈国師)は建長元年(1249年)に宋へ渡り、径山寺(径山興聖万寿禅寺)で修行したとされます。1254年に帰国し、現在の由良町に興国寺(当時は西方寺)を開きました。修行の合間に学んだ味噌の製法を近隣の人々に伝えたのが、金山寺味噌の始まりといわれます。一方で、空海が唐から持ち帰ったとする説などもあり、起源には諸説あります。

歴史

製法は興国寺の周辺、現在の湯浅地方や御坊地方などに伝わり、民衆の保存食として広まったとされます。江戸時代には、水に恵まれ海運にも便利な湯浅で多く作られるようになりました。紀州徳川家の保護のもと、醤油とともに紀州藩の重要な産業になり、江戸では紀州名物として売られていました。1951年には紀州味噌工業協同組合が設立され、2017年に「紀州金山寺味噌」がGIに登録されています。

特徴

紀州金山寺味噌は、国産の大豆、裸麦、米の3種類をすべて麹にし、具材に瓜、茄子、生姜、紫蘇を使うのが特徴です。一般的な金山寺味噌は、大豆と小麦の麹に瓜・茄子・生姜を合わせて作ります。麹と刻んだ野菜を塩や砂糖と一緒に仕込み、発酵・熟成させます。大豆や麦の粒が残ったままでも柔らかく、麹のうまみと野菜の味が溶け合った、まろやかな味わいです。

主な食材

大豆裸麦米麹瓜(白瓜)茄子生姜紫蘇塩砂糖

食文化

金山寺味噌は、温かいご飯に添えたり、酒の肴にしたりして、そのまま食べるのが基本です。生野菜につけたり、おにぎりにのせて焼いたりする食べ方もあります。もともとは、野菜を長く食べるための保存食でもありました。

家庭料理との違い

金山寺味噌は、大豆や麹、刻んだ茄子や瓜、紫蘇などで作られ、家庭ごとに味が異なるとされます。湯浅などの蔵元では、大豆・裸麦・米の3種類の麹を使い、蔵に住みつく酵母を生かして昔ながらの環境で仕込むなど、それぞれの製法を守っています。

有名店

太田久助吟製

和歌山県有田郡湯浅町湯浅15

江戸時代末期から続く蔵で、もとは醤油蔵でしたが、戦後に味噌づくり一本に切り替えたとされます。蒸した米・大豆・裸麦の麹に、刻んだ白瓜や丸茄子、生姜、紫蘇を入れて熟成させます。機械化せず昔と同じ環境で仕込んでおり、木箱入り(270g)は1,080円程度です。

丸新本家

和歌山県有田郡湯浅町湯浅1466-1

明治14年(1881年)創業の、金山寺味噌と醤油の製造販売を手がける湯浅の老舗です。伝統的に金山寺味噌を造ってきた蔵で、2002年には醤油造りを担う湯浅醤油有限会社が設立されました。湯浅の金山寺味噌と醤油の歴史を今に伝える蔵の一つです。

湯浅醤油「具だくさん金山寺味噌」湯浅町の醤油蔵・湯浅醤油の九曜蔵で買える金山寺味噌です。醤油蔵が手がける金山寺味噌で、270gで810円程度です。九曜蔵では杉の大樽が並ぶ醤油蔵の見学もでき、あわせて買い求められます。

よくある質問

Q. なぜ「金山寺」と書くのですか?

A. 覚心が修行した中国の「径山寺(きんざんじ)」に由来するとされます。江戸時代前期に「径山寺」の名で売り出されて評判になったといわれ、読みが同じ「金山寺」の字が広まりました。和歌山県の広報誌などでは今も「径山寺味噌」の表記も使われています。

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