
出石皿そば(いずしさらそば)は、兵庫県豊岡市出石町に伝わる、小皿に盛り分けて出すそばです。城下町の出石では、白い磁器の出石焼の小皿に、ゆでたそばを少量ずつ盛って出します。一人前は5皿が基本で、食べたい分だけ1皿ずつ追加できます。とっくりに入っただしと、ねぎ・わさび・卵・山芋(とろろ)などの薬味が添えられます。始まりは宝永3年(1706年)とされます。信州上田(今の長野県上田市)から出石へ国替えになった藩主・仙石政明が、そば職人を連れてきたことがきっかけと伝わります。小皿に盛るようになったのは幕末の頃で、屋台で持ち運びやすいよう小さな浅い皿を使ったのが始まりとされます。300年以上にわたって職人たちが改良を重ね、今では町内に約40の店(2021年現在)が並ぶ出石の名物になりました。
発祥
宝永3年(1706年)、信州上田藩の藩主だった仙石政明が、出石藩の松平家と入れ替わる形で出石に国替えとなりました。このとき、信州からそば職人を連れてきたことが出石そばの始まりとされます。信州のそば打ちの技術は出石の地で受け継がれ、300年以上の間に職人たちの手で改良されてきました。そばの実を殻ごとひいた、色の黒い香り高いそばを出す店もあります。
歴史
幕末の頃、屋台でそばを出す際に持ち運びやすいよう、小さく浅い手塩皿にそばを盛ったのが「皿そば」の始まりとされます。のちに地元で焼かれる白磁の出石焼の小皿が使われるようになりました。今の皿そばの形が定まったのは昭和30年代とされます。平成20年(2008年)には出石皿そば協同組合が設立され、地域団体商標の登録や「新そば祭り」の開催などに取り組んでいます。
特徴
出石焼の白い小皿に、ひと口ほどのそばを盛り、一人前5皿で出すのが基本です。地元では「食べた皿を重ねて箸の高さになると成人男性の一人前」ともいわれます。とっくりに入っただしをそば猪口に注ぎ、まずはそばとつゆだけで味わいます。続いてねぎやわさび、山芋、卵などの薬味を加え、皿ごとに味を変えて楽しみます。最後はそば湯でつゆを割って飲みます。店ごとに小皿の絵付けが異なるのも見どころです。
主な食材
食文化
出石では季節を問わず皿そばが食べられ、城下町の散策とあわせて店を訪ねる観光客もいます。出石皿そば協同組合は毎年11月に「新そば祭り」を開いています。毎年4月には出石城跡で「出石名物そば喰い大会」が行われ、食べた皿の数を競います。
家庭料理との違い
一般的なざるそばは一枚のせいろにまとめて盛りますが、出石皿そばは小皿に少しずつ盛り分けて出します。卵や山芋を薬味に使い、皿ごとに味を変えながら食べ進めるのも出石ならではです。
有名店
近又
兵庫県豊岡市出石町本町99
京町家造りの店構えが歴史を感じさせる人気店です。そばの実を石臼で丸ごとひいた黒いそばは、風味がよくコシが強いのが特徴です。だしには利尻昆布とサバ節を使い、食べ進めてもつゆが薄まりにくいことでも知られます。ミシュランガイドへの掲載歴もあります。
さらそば 甚兵衛
兵庫県豊岡市出石町小人14-16
親子三代で伝統の味を守る出石皿そばの専門店です。ひきたて・打ちたて・ゆがきたての「三たて」を信条としています。錦鯉が泳ぐ庭のある落ち着いた店で、ミシュランガイドのビブグルマンにも選ばれました。そばがなくなり次第、閉店となります。
よくある質問
Q. なぜ小皿に盛るのですか?
A. 幕末の頃、屋台でそばを出す際に、持ち運びに便利な小さく浅い手塩皿に盛ったのが始まりとされます。のちに地元の焼き物である白磁の出石焼が使われるようになりました。小分けにすることで、ゆでたてを少しずつ味わえ、皿ごとに薬味を変える楽しみも生まれました。
Q. 出石皿そばは何皿が一人前ですか?
A. 5皿で一人前とするのが基本で、そこから1皿ずつ追加して注文できます。地元では、食べた皿を重ねて箸の高さになると成人男性の一人前といわれます。そばの量は店によって異なるため、追加しながら自分に合った量を探すのも楽しみ方の一つです。