
いもたきは、里芋を主役に、鶏肉やこんにゃく、しいたけ、油揚げなどをだしで煮込む愛媛県の鍋料理です。大洲市(おおずし)が発祥とされ、晩夏から秋にかけて肱川(ひじかわ)の河原で鍋を囲み、月見を兼ねて味わう行事として知られています。大洲では江戸時代、農民が親睦を深める「お籠(こも)り」という集まりで、夏にとれた里芋を河原で炊いて食べていたといわれます。1966年(昭和41年)には「観光いもたき」が始まり、最盛期には年間7万人以上が訪れたとされます。現在も8月下旬から10月中旬ごろまで、予約した登録店が会場に料理と座席を用意してくれます。里芋は子孫繁栄の縁起物とされ、いもたきは西条市や東温市など県内各地にも広がって、愛媛の秋の風物詩となっています。
発祥
農林水産省の資料によると、いもたきの歴史は加藤家が大洲藩主だった350年以上前までさかのぼるとされます。お籠りの行事でふるまう鍋に、各自が地元名産の里芋を持ち寄ったことが始まりといわれます。大洲市の広報誌では、大洲地域では江戸時代から春と秋の年2回お籠りがあり、秋には夏にとれた里芋を河原で炊いて食べていたと紹介されています。
歴史
1966年(昭和41年)、伝統的な地域行事を多くの人に楽しんでもらおうと、大洲市の観光事業として「観光いもたき」が始まりました。最盛期には年間7万人以上を集めたといわれます。シーズン初日には「初煮会(はつにえかい)」が開かれ、2026年は8月28日に肱川緑地の肱南(こうなん)ピクニックランドで行われると案内されています。西条市でも1972年(昭和47年)に始まるなど、県内各地に広がりました。
特徴
大洲のいもたきの主役は、大洲名産の「夏芋」と呼ばれる里芋です。粘りが強く、ほくほくとした食感が特徴で、昔からの品種「女早生(おんなわせ)」が作られています。登録店ごとに味付けや具材が異なり、カツオと昆布のだしで炊く店、鶏ガラのだしを使う店、ハスイモやうずらの卵を加える店などがあります。シメにうどんを入れる食べ方も紹介されています。
主な食材
食文化
大洲のいもたきは、家族や仲間と河原に集まり、鍋を囲んで夕涼みや月見を楽しむ行事です。まず登録店に電話で申し込み、予約した日時に会場へ行けば、料理とともに敷物やカセットコンロ、食器が用意されています。大洲市観光協会の案内では、料金は1人3,300円からで、5名以上のグループで予約が必要です。
家庭料理との違い
いもたきは家庭でもよく作られ、親から子へ受け継がれている料理です。学校給食や家庭科の授業で作られることもあります。大洲では登録店などが材料をそろえた「いもたきセット」を販売しており、2023年の市の広報誌では3〜5人前で3,500〜4,950円と紹介されていました。
有名店
料苑 たる井
愛媛県大洲市若宮465-1
祖父の代からの味を守るいもたき登録店です。鶏としいたけのだしに地元の老舗の醤油を使い、大洲特有のやさしい甘さに仕上げています。里芋やしいたけ、油揚げは大洲産で、ハスイモも入ります。2023年の市の広報誌では1人前2,500円(税別)からで、5人から受け付けていました。
よねざわ
愛媛県大洲市大洲610
観光いもたきが始まった1966年から変わらない味を守る登録店です。大洲産の里芋、鶏肉、しいたけ、こんにゃくを、カツオと昆布のだしで炊きます。2023年の市の広報誌では、河原でのいもたきは休み、店舗で提供しているとされていました。1人前2,000円(税別)からでした。
にし川
愛媛県大洲市田口甲392-6
里芋、こんにゃく、しいたけ、油揚げ、ハスイモ、骨付きの鶏肉と、すべて大洲産の食材を使う登録店です。シメにうどんを頼む客も多いと紹介されています。店舗ではいもたき定食も味わえ、ホテルにし川の宿泊客は河原への送迎も利用できます。
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よくある質問
Q. 大洲市以外でも、いもたきは行われていますか?
A. 農林水産省の資料では、いもたきは南予を中心に県内の10数か所で行われているとされます。西条市では加茂川の河川敷周辺で、東温市では重信川の河川敷で開かれてきたと紹介されています。秋の河川敷で、月見を兼ねて大勢で鍋を囲むのが各地に共通する楽しみ方です。