
芋けんぴは、細長く切ったサツマイモを油で揚げ、砂糖の蜜をからめた高知県の郷土菓子です。カリッとした歯ごたえと、サツマイモの素朴な甘さが特徴です。高知には平安時代から伝わるとされる小麦粉の菓子「けんぴ」があり、形が似ていることから「芋けんぴ」と呼ばれるようになったとされます。江戸時代中期に薩摩からサツマイモが伝わると、台風に強く土佐の気候に合うことから広く栽培されました。揚げたイモに、当時は高価だった砂糖をまぶした菓子は、祝い事のごちそうだったといわれます。高知県内には芋けんぴを作る店が多く、道の駅やスーパーマーケットでも手軽に買えます。日高村に本社を置く澁谷食品は、芋けんぴの全国シェアの約半分を占めるとされます。塩けんぴやごま入りなど味の種類も増え、県を代表する土産菓子になっています。
発祥
農林水産省の資料によると、土佐には砂糖を煮詰めた蜜に小麦粉を混ぜて練り、細長く切って焼いた「けんぴ」という菓子がありました。『土佐日記』にも登場するとされ、平安時代から食べられていたと伝わります。江戸時代中期に薩摩からサツマイモが伝わり、細く切って揚げ、砂糖をまぶした菓子が生まれました。その形がけんぴに似ていたことから、芋けんぴと呼ばれるようになったとされます。
歴史
芋けんぴの販売を最初に始めたのは、でんぷんの原料用にコガネセンガンという品種のサツマイモを多く作っていた安芸市(あきし)だといわれています。その後、県内各地に芋けんぴを作る店が増え、茶菓子や贈答品、土産物として定着しました。日高村の澁谷食品は芋けんぴの全国シェアの約5割を占めるとされ、2005年には芋菓子専門店「芋屋金次郎」の日高本店を開きました。
特徴
伝統的な作り方では、果肉が白いコガネセンガンを拍子木(ひょうしぎ)のように細長く切り、油で揚げて砂糖をからめます。現在は土佐紅やさつま金時、紫芋なども使われ、砂糖を煮溶かした蜜をからめる方法が主流です。表面の蜜が固まることで、カリッとした硬めの食感になります。ごまや塩、チョコレート、季節限定の味など、種類も豊富です。
主な食材
食文化
高知では、芋けんぴは一年を通して茶菓子として食べられ、贈り物や土産にも選ばれます。県内には芋けんぴを作る店が多く、道の駅やスーパーマーケットに並ぶほか、揚げたてを売る専門店もあります。高知市中心部の「ひろめ市場」でも、さまざまな味の芋けんぴが売られています。
有名店
芋屋金次郎 日高本店
高知県高岡郡日高村本郷573-1
芋けんぴの大手メーカー、澁谷食品が2005年に開いた芋菓子専門店の本店です。JR土讃線の日下(くさか)駅から歩いて3分ほどの場所にあります。店では揚げたての芋けんぴを買うことができ、それを目当てに訪れる人も多いとされます。
芋屋金次郎 卸団地店
高知県高知市南久保14-25
高知市内にある芋屋金次郎の店舗で、常時6種類以上の芋けんぴを扱います。併設の工房でその日に揚げた芋けんぴを買え、揚げたて芋けんぴ(120g)は500円と紹介されています。価格は変わることがあります。
詳細を見る →四万十郷 水車亭
高知県高岡郡四万十町古市町
芋けんぴメーカー、南国製菓の直営店で、水車亭(みずぐるまや)は同社の屋号です。室戸海洋深層水の塩を使った「塩けんぴ」で知られ、完成までに5年かかったと紹介されています。JR窪川駅から歩いて10〜15分ほどです。
詳細を見る →黒潮物産(ひろめ市場内)
高知県高知市帯屋町2丁目3-1 ひろめ市場内
高知市中心部の屋台村「ひろめ市場」にある店で、海洋深層水を使って手作りする芋けんぴを扱います。ゆず、四万十青のり、黒ごま、コーヒーなど8種類以上があり、150g入りが350円からと紹介されています。価格は変わることがあります。
詳細を見る →| 芋けんぴ(まるごと高知) | 東京・銀座の高知県アンテナショップ「まるごと高知」(東京都中央区銀座1-3-13)でも、塩けんぴなどの芋けんぴを扱っています。高知を訪れなくても、県内メーカーの芋けんぴを買い求めることができます。 |
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よくある質問
Q. 「けんぴ」と「芋けんぴ」は違うお菓子ですか?
A. 別のお菓子です。けんぴは、砂糖を煮詰めた蜜に小麦粉を混ぜて練り、細長く切って焼いた高知の古い菓子です。「堅干」とも書くように、硬い歯ごたえが特徴です。芋けんぴはサツマイモを揚げて蜜をからめたもので、形が似ていることからこの名が付いたとされます。
Q. 「けんぴ」という名前は、どこから来たのですか?
A. 諸説あります。飛鳥・奈良時代に伝わった細長い菓子「巻餅(けんぺい)」に由来するという説があります。室町時代に明から伝わった「巻餅(けいひん)」に由来するという説もあり、どちらも農林水産省の資料で紹介されています。