今治焼き鳥

Imabari Yakitori (Iron-Griddle Pressed Chicken of Imabari)

今治焼き鳥 1

画像: Wikimedia Commons

今治焼き鳥は、愛媛県今治市の名物として知られる焼き鳥です。一般的な焼き鳥のように串に刺さず、厚い鉄板の上で鶏肉を焼き、小さな板状の鉄の重しで押さえて仕上げます。鶏皮から出る脂で揚げるように焼き、押さえることで蒸し焼きに近い状態になるため、火の通りが早く、すぐに出せるのが特徴です。名物は「皮」で、外側が香ばしくカリッとするまで焼き上げます。鉄板は斜めに据えられ、余分な脂が落ちるため、あっさりした味わいになるとされます。農林水産省「うちの郷土料理」では約50年前に考案されたとされ、かつては100軒以上の鉄板焼き鳥店があったと紹介されています。甘辛いたれをかけるのが定番で、塩やポン酢で出す店もあります。「皮」に始まり、唐揚げの「せんざんき」で終わるのが通の食べ方といわれます。

発祥

今治の鉄板焼き鳥は、市内の焼き鳥店「五味鳥(ごみどり)」が始めたとされます。2016年の紹介記事では、店主が大阪でれんこんを鉄板で焼く様子を見て思いついたと紹介されています。造船業が盛んな今治では鉄板が手に入りやすかったことも、背景の一つとされます。農林水産省の資料では、考案されたのは約50年前とされています。

歴史

鉄板で押し焼きにすると串焼きより早く焼けるため、すぐに料理が出てくることが今治の人の気質に合い、人気になったといわれます。造船やタオルの仕事に就く人が多く、せっかちな人が多い土地柄とも紹介されています。かつては100軒以上の鉄板焼き鳥店があったとされ、旅行ガイドでは現在も約60店の焼き鳥店があり、人口あたりの店の数が全国的に多いと紹介されています。

特徴

鶏肉を串に刺さず、傾けて据えた厚い鉄板に並べ、取っ手の付いた鉄の重しやコテで押さえて焼きます。押さえることで余分な脂が落ち、皮は外側がカリッと香ばしく仕上がります。たれは焼いている途中ではなく、皿に盛ったあとにかける店が多いとされます。皮のほか、せせりや手羽先、ねぎを合わせた鳥皮なども定番です。

主な食材

鶏肉(皮、せせり、手羽先など)焼き鳥のたれ(甘辛い醤油味)塩・こしょうねぎ

食文化

今治焼き鳥は主に焼き鳥店や居酒屋で味わう料理で、多くの店は夜だけ営業しています。まず皮を頼み、最後に唐揚げのせんざんきで締めるのが通の食べ方とされます。老舗の中には、客が席に着く前から焼き始める店もあると紹介されています。

家庭料理との違い

家庭向けには、鶏肉と焼き鳥のたれを組み合わせた「今治焼き鳥セット」がスーパーマーケットで売られています。一方で、傾けた厚い鉄板と重しを使って押し焼きにする本来の焼き方は専門の設備が必要で、主に飲食店で味わう料理として親しまれています。

有名店

五味鳥(ごみどり)

愛媛県今治市南大門町1-1-13

今治の鉄板焼き鳥の発祥の店とされる老舗です。鉄板で押し焼きにするため調理時間が短く、炭火で焼く焼き鳥に比べて皮が香ばしくパリッと焼けると紹介されています。休業日が決まっていないため、事前の確認が勧められています。

世渡(せと)

愛媛県今治市黄金町1丁目5-20

「今治焼き鳥四天王」の一つともいわれる人気店です。皮焼きは500円で、皮に適度に肉が付いていると紹介されています。食べログの「焼き鳥 WEST 百名店」にも選ばれています。JR今治駅から歩いて15分ほどです。

はち八

愛媛県今治市郷本町2丁目3-8

朝にしめた鶏だけを使う店で、鳥刺しなども味わえます。一番人気はねぎ入りの鳥皮で、たれのほか塩こしょうやポン酢でも頼めます。紹介記事では、ねぎ入りの鳥皮が462円とされていました。

やきとり山鳥

愛媛県今治市末広町1丁目4-7

家族で営む焼き鳥店で、独自に開発した地鶏「伊予水軍鶏」を使っています。紹介記事では、鳥皮が473円、せんざんきが495円とされていました。JR今治駅から歩いて10分ほどです。

鳥林

愛媛県今治市南大門町1丁目

JR今治駅から歩いて5分ほどの場所にある、40年以上続く老舗と紹介されています。「今治焼き鳥四天王」の一つに数えられることもあり、鉄板で焼く皮のほか、骨付きのせんざんきも評判です。人気店のため混み合うことがあります。

よくある質問

Q. なぜ串に刺さず、鉄板で焼くのですか?

A. 鉄板で重しをして焼くと、串焼きより早く火が通り、注文からすぐに出せるためとされます。今治の人はせっかちで待つことを好まないといわれ、その気質に合ったことが広まった理由と紹介されています。造船の町で鉄板が手に入りやすかったことも背景にあるとされます。

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