本ノ字饅頭

Honnoji Manju (Sake Bun Branded with the Character Hon)

本ノ字饅頭 1

画像: Wikimedia Commons

本ノ字饅頭(ほんのじまんじゅう)は、和歌山市の老舗和菓子店・総本家駿河屋が作る酒饅頭です。米麹で発酵させた生地でこしあんを包んで蒸し、表面に篆書体(てんしょたい)の「本」の字の焼印を押します。ほんのりとした酒の香りと、やさしい甘さのこしあんが特徴です。駿河屋は室町時代の寛正2年(1461年)、京都・伏見で「鶴屋」として創業したと伝わります。のちに紀州徳川家の祖・徳川頼宣(よりのぶ)に従って和歌山へ移り、紀州徳川家御用達の菓子司となりました。「本」の字は、紀州藩が領民に説いた「正直を本(もと)とする」という教えに由来する説が有力とされます。江戸時代には、歴代の紀州藩主が参勤交代の際に江戸へ持参したと伝わります。発酵から蒸し上げまで4日ほどかけて作る、和歌山を代表する銘菓です。

発祥

駿河屋は寛正2年(1461年)、初代岡本善右衛門が京都・伏見に「鶴屋」の屋号で饅頭処を開いたのが始まりとされます。紀州徳川家の祖・徳川頼宣は、幼いころ伏見で鶴屋の菓子を好んだと伝わります。頼宣が駿河から紀伊へ移ると、鶴屋もこれに従い、元和5年(1619年)に和歌山の駿河町に屋敷を賜って店を開きました。本ノ字饅頭は、創業以来の製法を伝える品とされています。

歴史

貞享2年(1685年)、将軍徳川綱吉の娘・鶴姫が紀州徳川家に嫁ぐことになり、その名をはばかって屋号を「駿河屋」に改めました。歴代の紀州藩主は参勤交代の際、本ノ字饅頭を江戸へ持参したといわれます。駿河屋は平成26年(2014年)に民事再生法の適用を申請し、一時休業しました。その後、新会社のもとで平成27年(2015年)から順次店舗を再開し、伝統の味を受け継いでいます。

特徴

生地のおよそ3分の1にもち米を使い、米麹で自然に発酵させるのが特徴です。前日から樽で発酵させた生地を練り、こしあんを包んで寝かせ、ほいろ(加温して発酵を促す道具)で再び発酵させます。せいろで蒸し上げたあと、「本」の字の焼印を押して仕上げます。天然の酵母を使うため、その日の発酵具合によってできあがる数が変わるといいます。

主な食材

もち米米麹小麦粉こしあん

食文化

和歌山では、ほんのりとした酒の香りとこしあんの甘さが、どこか懐かしい故郷の味として親しまれています。総本家駿河屋は和歌山市を中心に県内各地に店舗を構え、創業の地である京都・伏見にも店があります。

有名店

総本家駿河屋善右衛門 駿河町本舗

和歌山県和歌山市駿河町12

元和5年(1619年)に紀州徳川家から屋敷を賜ったと伝わる、駿河町に構える本舗です。本ノ字饅頭のほか、5代目が考案したとされる煉羊羹などの和菓子を販売しています。営業は9時〜18時です。

総本家駿河屋善右衛門 本社工場小倉店

和歌山県和歌山市小倉25

本ノ字饅頭などを製造する本社工場に併設された店舗です。本ノ字饅頭は、発酵と二次発酵を経て仕上がるまでに4日ほどかかるといいます。天然の酵母を使うため、日によってできあがる数が変わる手間のかかる菓子を、工場に近い店で買い求められます。

総本家駿河屋「本ノ字饅頭」酒の香りとこしあんの甘さが調和した、総本家駿河屋の代表銘菓です。和歌山市の駿河町本舗や近鉄和歌山店など、県内各地の店舗で購入できます。皮が少し硬くなった場合は、電子レンジで温めると酒の香りが立つといわれます。

よくある質問

Q. なぜ「本」の字の焼印が押されているのですか?

A. 紀州藩が領民に説いた教えの中にある「正直を本とする」の「本」の字を取ったという説が有力とされます。徳川頼宣が領地経営の理念を示した「父母状(ふぼじょう)」の言葉に由来するとも説明されます。由来には諸説があります。

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