
広島菜漬(ひろしまなづけ)は、広島県の伝統野菜「広島菜」を塩で漬けた漬物です。九州の高菜漬、信州の野沢菜漬と並ぶ「日本三大菜漬」の一つに数えられます。広島菜はアブラナ科の葉野菜で、葉が大きく幅広く、1株が2kgほどにまで育ちます。主な産地は広島市安佐南区の川内(かわうち)地区です。太田川と古川に挟まれた水はけのよい土地で、古くから栽培されてきました。冬に収穫された広島菜は、ほとんどが漬物に加工されます。漬物には、短い期間で漬けて青々とした色と歯切れを楽しむ浅漬けと、長く熟成させて酸味とうま味を引き出す古漬けがあります。わさびに似たツンとした香りと、ほのかな辛みが持ち味です。県民には身近なご飯のお供で、広島を代表する贈答品としても親しまれています。
発祥
広島菜の起源には諸説あります。一つは江戸時代の説で、参勤交代の折に京都から種を持ち帰ったのが始まりといわれます。年配の人には今も「京菜(きょうな)」と呼ぶ人が多く、京都の壬生菜(みぶな)がルーツとも考えられています。もう一つは明治時代の説です。川内村の木原才次が京都の西本願寺に参詣した際に観音寺白菜の種を持ち帰り、在来の京菜と交配して改良したとされます。広島県の資料では、これを明治25年(1892年)のこととしています。
歴史
昭和8年(1933年)、広島県産業奨励館(現在の原爆ドーム)で博覧会が開かれました。これへの出品をきっかけに、農家ごとにまちまちだった呼び名が「広島菜」に統一されたといわれます。広島では、かき料理を出す「かき船」とともに、かきに合う食材として広島菜も知られるようになりました。戦前は長く漬けた古漬けが主流でしたが、戦後は浅漬けが好まれるようになります。贈答品としても重宝され、広島の重要な特産品になりました。川内地区では、生産者が他品種との交雑を防いで種を守り、地元の小学校と30年以上にわたって栽培学習を続けています。
特徴
広島菜は繊維が少なくやわらかく、霜に当たると身が締まってピリッとした風味が増します。収穫は11月中旬から1月末ごろです。まず塩でもんで苦みを抜く荒漬けをし、漬け直しを重ねて仕上げます。浅漬けは3〜4日ほど漬けたもので、鮮やかな緑色、シャキッとした歯切れ、わさびのような香りが特徴です。古漬けは半年以上熟成させたもので、乳酸発酵による酸味とうま味があり、べっこう色に近くなります。近年は昆布や唐辛子を加えるなど、メーカーごとの工夫も見られます。
主な食材
食文化
大きめに切って温かいご飯にのせるのが定番です。広島菜漬でおにぎりを包む「広島菜むすび」は県民になじみの味で、弁当にもよく入ります。主産地の安佐南区では、広島菜を「餅菜(もちな)」と呼んで雑煮の具にも使います。古漬けはお茶漬けにも向きます。
有名店
山豊 長楽寺店
広島県広島市安佐南区長楽寺2-13-2
広島菜漬を中心に漬物を製造する山豊の直営店です。契約農家が育てた広島菜を、荒漬け・中漬け・本漬けの三度漬けで手作業で仕込んでいます。看板の広島菜漬「安藝菜(あきな)」などは、広島市の「ザ・広島ブランド」に認定されています。
詳細を見る →| 山豊「安藝菜」 | 山豊(広島市安佐南区)の広島菜漬である。契約栽培の広島菜を三度漬けにし、歯切れのよさとわさびに似た香りを生かしている。広島市の認定品紹介では250g入り486円(税込)とされる。広島駅や広島空港の売店、県内の高速道路のサービスエリアなどで扱われ、10月から翌6月ごろまで販売される。購入先を見る →PR |
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| JA広島市「本場川内特産 広島菜漬」 | JA広島市の広島菜漬センター(広島市安佐南区川内)が、川内地区の農家が育てた広島菜を伝統の製法で漬けたものである。マイルドな味とピリッとした辛み、歯切れのよさが特徴とされる。広島市の認定品紹介では250g入り486円(税込)で、県内の産直市場や通販サイトでも買える。購入先を見る →PR |