
浜田ののどぐろは、島根県浜田市の浜田漁港に水揚げされるアカムツ(標準和名)のことです。体は赤いものの口の中が黒いことから、島根などではのどぐろと呼ばれています。山陰沖の水深200m前後にすむ深海魚で、浜田港には主に沖合底びき網漁船が水揚げします。白身ながら脂が豊富な高級魚で、山陰沖西部で獲れるアカムツは脂質が最高で30%以上に達し、マグロのトロに匹敵するとされます。浜田市は2009年にのどぐろを市の魚に定めました。アジ・カレイとともに「どんちっち三魚」としてブランド化を進めており、条件を満たしたものは「どんちっちノドグロ」の名で出荷されます。煮付けや塩焼きで味わわれるほか、一尾ずつ手作業で仕込む干物も浜田の名産です。地元の公設市場や干物店で購入できます。
発祥
アカムツは、脂質の豊富なプランクトンや甲殻類の多い山陰沖の、水深200m前後の深海にすむ魚です。浜田漁港には、日本海南西海域から九州にかけての大陸棚を漁場とする沖合底びき網漁船が水揚げしています。浜田港は全国でも限られた特定第3種漁港に指定されています。島根県の資料では、同じのどぐろでも、県西部で主に沖合底びき網により獲れたものの方が脂の乗りがよいとされています。
歴史
農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」によると、のどぐろは1950年代頃まではあまり人気のない魚でした。近年はマダイやヒラメ、トラフグにも負けない高級魚として、全国で珍重されるようになっています。浜田市は2009年にのどぐろを市の魚に制定しました。生産者や市場、加工業者、研究機関、行政などでつくる浜田市水産物ブランド化戦略会議が、アジ・カレイと合わせた「どんちっち」ブランドを推進しています。
特徴
「どんちっち」は神楽の囃子を表す幼児言葉で、転じて石見神楽全体を指すようになった言葉です。石見を代表する神楽になぞらえて、浜田を代表する魚の名に使われました。どんちっちノドグロは、ブランド化戦略会議に加盟する沖合底びき網漁船が8月から翌年5月に獲った、80g以上のものに限られます。浜田ののどぐろは他地区より脂質含有量が多いことが分かっており、県の水産試験場は脂質を測って表示する販売も試みています。
主な食材
食文化
浜田の干物づくりでは、身のやわらかいとれたてののどぐろを傷めないよう、一尾ずつ手作業で内臓や血合いを取り除きます。塩の濃さや漬ける時間は、魚の大きさやその日の天候で調整されます。干物はそのまま素焼きにするのが一番とされます。大田市などで食べられる鉄鍋料理「へか」にも、旬の魚としてのどぐろが使われてきました。
有名店
はまだお魚市場(山陰浜田港公設市場)
島根県浜田市原井町
2021年7月にグランドオープンした浜田港の公設市場です。浜田漁港に揚がった鮮魚や水産加工品が並び、どんちっち三魚(アジ・のどぐろ・カレイ)も購入できます。販売は8時から15時で、2階には石見地域の食材を使う食堂が入っています。
お魚のなかだ
島根県浜田市国分町1981-186
鮮魚店に併設されたイートインで、その日の魚を使う海鮮丼が人気です。のどぐろだけを盛った「のど黒づくし丼」もあると紹介されています。旅色の掲載では予算1,500〜2,000円程度で、魚がなくなり次第終了することもあります。
| 香住屋「のどぐろ一夜干し」 | 大正10年創業と紹介される浜田の干物専門店・香住屋の一夜干しです。山陰沖で獲れた大きめののどぐろを、天然の塩だけで一尾ずつ加工しています。自社の釜で炊いた調味液に漬ける「のどぐろ味醂干し」もあります。 |
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よくある質問
Q. のどぐろとアカムツは違う魚ですか?
A. 同じ魚です。標準和名はアカムツで、体は赤いものの口の中が黒いことから、島根などではのどぐろと呼ばれています。浜田では、漁期や80g以上といった条件を満たしたものが「どんちっちノドグロ」の名で出荷されます。