五島うどん

Goto Udon (Hand-Stretched Camellia Oil Noodles of the Goto Islands)

五島うどん 11 / 2

画像: Wikimedia Commons

五島うどんは、長崎県の西の海に浮かぶ五島列島で作られる手延べの干しうどんです。主な産地は上五島の新上五島町です。生地を延ばすときに、島の特産品である椿油を塗るのが最大の特徴です。ゆで上がった麺は細く丸い形で、コシが強く、つるりとしたのど越しが持ち味とされます。地元の定番の食べ方は「地獄炊き」です。大鍋でぐつぐつ煮たうどんを鍋から直接すくい、トビウオでとった「あごだし」や、卵に絡めて食べます。起源は、五島に寄港した遣唐使が伝えたという伝承がよく知られています。2024年度(令和6年度)には、文化庁の「100年フード」に認定されました。讃岐うどんや稲庭うどんと並べて、日本三大うどんの一つに数えられることもあります。

発祥

五島はかつて遣唐使船の寄港地でした。そのため、唐でさまざまなことを学んだ遣唐使が、うどんの原型を伝えたといわれています。農林水産省や文化庁もこの説を紹介していますが、裏付ける史料があるわけではなく、伝承として受け止めるのがよさそうです。五島には椿が自生しており、搾った椿油が麺作りにも料理にも使われてきました。

歴史

五島には多くの製麺所があり、うどんは家庭料理としてだけでなく、大勢で鍋を囲む行事食としても親しまれてきました。農林水産省によると、現在は製麺の約8割が島外に出荷されています。地元の製麺所でつくる「長崎県五島手延うどん振興協議会」が、品質とブランド力の向上に取り組んでいます。2024年度には、文化庁が地域で受け継がれてきた食文化を認定する「100年フード」に、新上五島町の五島うどんが選ばれました。

特徴

材料は小麦粉、塩、椿油が基本です。塩水で練った生地に椿油を塗り、よりをかけながら細く延ばします。熟成と延ばしを何度も繰り返し、最後に吊るして干します。熟成と乾燥を重ねることで、細くてもコシが強く、切れにくい麺になります。表面を椿油が覆っているため、ゆでても伸びにくいとされます。この性質が、煮立った鍋から食べる地獄炊きに向いています。

主な食材

小麦粉塩椿油あごだし(トビウオのだし)生卵ネギ・かつお節・しょうがなどの薬味

食文化

地獄炊きは、乾麺を鉄鍋でぐつぐつとゆで、鍋から直接すくって食べる五島の定番の食べ方です。つけ汁はトビウオのあごだしが基本です。ネギやかつお節、醤油を入れた溶き卵に絡める食べ方もあります。箸では取りにくいため、専用の「うどんすくい棒」を使います。

有名店

うどん茶屋 遊麺三昧(五島うどんの里)

長崎県南松浦郡新上五島町有川郷428-31

観光案内所と特産品の販売所が入る「五島うどんの里」の食事処です。人気の地獄炊きうどんは、あごだしと生卵の2種類のつゆで味わえます。旅行ガイドでは880円と紹介されています。営業は昼のみで、不定休です。価格は変わることがあります。

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竹酔亭

長崎県南松浦郡新上五島町七目郷56-1

製麺所が直営する五島うどんの店です。地獄炊きは、あごだしと卵醤油の2種類のつけだれで食べます。2024年の旅行誌では、いなり寿司2個付きの地獄炊きセットが1,000円と紹介されています。持ち帰り用のうどんやうどんすくい棒を売る物産館も併設されています。価格は変わることがあります。

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ますだ製麺の五島手延うどん新上五島町の製麺所が作る五島手延うどんです。国産小麦を使った細麺の「しま乙女」や、地獄炊き用のつゆやうどんすくいを組み合わせたセットなどがあります。いずれも新上五島町のふるさと納税の返礼品として扱われています。購入先を見る →PR

よくある質問

Q. 五島うどんは、本当に遣唐使が伝えたのですか?

A. 確かな記録はなく、伝承とされます。ほかにも、中国の浙江省永嘉県に伝わる製法のよく似た索麺(そうめん)をルーツとみる説があります。また、元寇の捕虜から学んだ説や、江戸時代に本土から学んだ説などもあり、伝来の時期や経緯は定まっていません。

Q. 「地獄炊き」という名前は、どこから来たのですか?

A. はっきりした由来は伝わっていません。ぐつぐつと煮え立つ鉄鍋の様子が、地獄の釜のように見えることから名付けられたという説がよく知られています。名前は少し怖いですが、大鍋を囲んで、ゆでたてのうどんを皆で取り分けて食べるにぎやかな料理です。

Q. 五島うどんは「日本三大うどん」の一つですか?

A. 讃岐うどん・稲庭うどんと並べて、日本三大うどんの一つに数えられることがあります。ただし、公式に決められたものではありません。五島うどんの代わりに群馬県の水沢うどんを挙げる場合もあり、数え方は一定していません。

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