越前うには、福井県の越前海岸でとれるバフンウニの生殖巣を塩漬けにし、熟成させた「塩うに」です。「汐うに」「塩雲丹」とも書かれます。江戸時代の書物『日本山海名産図会』では「塩辛中の第一」とたたえられました。三河のこのわた、肥前のからすみとともに、日本三大珍味の一つに数えられています。原料のバフンウニは殻の直径が数センチほどの小さなウニで、100gの製品を作るのに100個前後が必要とされます。ウニの粒を塩で締めて水分を抜き、ペースト状に練ってから熟成させます。濃厚なうま味と磯の香り、なめらかな舌触りが持ち味で、ほんの少量でも深い味わいが広がります。現在の製法は、江戸時代後期に福井藩の御用商だった天王屋(現・天たつ)が考案したと伝わります。県内のバフンウニの漁獲量はごくわずかで、今も手作業に頼る貴重な珍味です。
発祥
うにの塩漬けの歴史は古く、平城京跡から出土した木簡には、若狭国からうにが献上された記録があります。このため塩漬けの発祥は、少なくとも奈良時代までさかのぼると推定されています。現在の製法は江戸時代後期、福井藩の御用商「天王屋」の三代目が考案したとされます。藩主・松平治好から、戦に備えて日持ちする貯蔵食の開発を命じられたことがきっかけと伝えられています。
歴史
天たつによると、天王屋は1804年(文化元年)に越前福井藩主の松平家から御用商を命じられて創業しました。江戸時代の越前うには、藩の献上品として扱われていました。七代目の天王屋辰吉は松平春嶽から「天王屋の辰吉」を略して「天たつ」と呼ばれ、明治期からこれを屋号としています。昭和天皇への献上の際には、九代目がガラス板の上で殻の破片を一つずつ取り除いたと伝えられています。
特徴
原料は、浅い岩場にすむ小型のバフンウニです。坂井市三国では、海女によるバフンウニ漁が夏の風物詩とされ、漁期が短いため塩うにづくりもこの時期に限られます。殻を一つずつ割り、崩れないように生殖巣を取り出して海水で洗います。塩をして水分を抜いたあとペースト状に練り、熟成させます。熟成期間が長いほど、色は橙色から朱色に近づきます。
主な食材
食文化
越前うには、酒の肴として少しずつ味わうのが定番です。炊きたてのご飯にのせたり、おにぎりの具にしたりするほか、チーズと合わせたりパスタの風味付けに使ったりする食べ方も紹介されています。濃厚なので、ほんの少し加えるだけで料理の味わいが大きく変わります。
家庭料理との違い
越前うには、生のウニをそのまま塩漬けにするのではなく、水分を抜いて練り上げ、熟成させて仕上げます。小さなウニから崩さずに中身を取り出す作業や、殻の破片を取り除く工程には大変な手間がかかります。こうした工程は、専門の業者が伝統の技として受け継いでいます。
有名店
天たつ 本店
福井県福井市順化2丁目7-17
1804年(文化元年)に天王屋として創業した越前うにの老舗で、旧福井藩主松平家の御用商を務めました。看板商品の「越前仕立て汐うに」は、塗物容器入りの16gで3,000円程度〜です。
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|---|---|
| 干うに(天たつ) | 明治・大正のころ福井の浜で作られていた干したうにの珍味です。戦前に贅沢品として製造が禁じられましたが、2011年に伝統の製法で復活させました。 |
よくある質問
Q. 日本三大珍味とは何ですか?
A. 越前のうに、三河のこのわた、肥前のからすみの3品を指します。このわたはナマコの腸の塩辛、からすみはボラの卵巣を塩漬けして干したものです。いずれも江戸時代から名産として知られてきました。