丁稚羊羹

Decchi Yokan

丁稚羊羹 1

丁稚羊羹は、こしあんに小麦粉などを混ぜて練り、竹の皮に包んで蒸し上げた素朴な羊羹で、滋賀県近江八幡市発祥の郷土菓子です。一般的な練り羊羹に比べて甘さが控えめで、竹の皮のほのかな香りが移った、もちりとした食感が特徴です。名前の由来には、大坂や関東の商家へ奉公に出ていた丁稚(見習い小僧)が薮入りで里帰りする際、少ない給金でも買える手頃な値段だったためという説や、「こね合わせる」を意味する方言「でっちる」からきたという説があります。文久3年(1863年)創業の老舗「和た与」が発祥の店として知られ、竹の産地であった近江八幡ならではの工夫から生まれた菓子として、今も地元の土産物として親しまれています。近江八幡だけでなく、近江商人の交流を通じて三重県伊賀市など他地域にも同様の菓子が伝わりました。

発祥

丁稚羊羹は近江八幡が発祥とされ、文久3年(1863年)創業の「和た与」が発祥の店として知られています。砂糖問屋「綿伍」に奉公していた初代小川与惣松が暖簾分けを許されて開いた店で、以来160年以上にわたり同じ製法で羊羹を作り続けています。竹の産地であった近江八幡では竹の皮が手に入りやすく、餡を包む素材として活用されたことが、竹の皮包みという独特のスタイルを生みました。

歴史

「丁稚羊羹」という名前の由来には諸説あります。大坂や関東の商家に奉公していた丁稚たちが、薮入りで郷里へ帰る際の手土産として、少ない給金でも買える手頃な値段のこの羊羹を選んだことから名付けられたという説が広く知られています。ほかに、餡と粉を「こね合わせる」という意味の方言「でっちる」に由来するという説もあります。近江八幡から近江商人の交流を通じて三重県伊賀市など他地域にも同様の菓子が伝わり、それぞれの土地で「丁稚羊羹」として親しまれるようになりました。

特徴

一般的な練り羊羹より甘さが控えめで、竹の皮に包んで蒸し上げることで、皮のほのかな香りが羊羹に移るのが特徴です。寒天で固める練り羊羹と異なり小麦粉を加えて蒸すため、もちりとした独特の食感を持ちます。竹の皮のまま持ち歩けて手が汚れにくいことから、素朴な土産菓子として親しまれてきました。近江八幡市内には複数の和菓子店が丁稚羊羹を扱っており、店ごとに餡の甘さや竹の香りの強さに違いがあります。

主な食材

小豆(こしあん)小麦粉砂糖竹の皮

食文化

奉公人が里帰りの土産として買い求めたという逸話が示すように、贅沢ではないが心のこもった手土産として庶民に親しまれてきた菓子です。竹の皮包みという素朴な佇まいが、近江商人の質実剛健な気風とも重ねて語られます。

家庭料理との違い

一般的な練り羊羹が寒天で固め上品な甘さに仕上げるのに対し、丁稚羊羹は小麦粉を使って蒸し上げるため、家庭の水羊羹よりも素朴で甘さ控えめ、もちりとした食感に仕上がります。

有名店

和た与

滋賀県近江八幡市玉木町2-3

文久3年(1863年)創業、でっち羊羹発祥の店。十勝産小豆のこしあんを職人が早朝から一本ずつ竹の皮で丁寧に手包みしており、代々受け継がれた製法を守っている。3本包み972円〜

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たねや 日牟禮乃舍

滋賀県近江八幡市宮内町3

近江八幡の老舗和菓子店たねやの店舗の一つで、丁稚羊羹を扱う。日牟禮八幡宮の参道という趣ある立地にあり、茶屋を併設して季節の和菓子とともに提供している

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よくある質問

Q. なぜ「丁稚」羊羹と呼ばれるのですか

A. 商家に奉公する丁稚が、少ない給金でも買える安価な羊羹だったため、里帰りの土産に選んだことに由来するという説が広く知られています。餡をこね合わせる方言「でっちる」由来とする説もあります。

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