坊っちゃん団子

Botchan Dango (Three-Color Skewered Dumplings of Dogo)

坊っちゃん団子 1

画像: Wikimedia Commons

坊っちゃん団子は、愛媛県松山市の銘菓で、道後温泉の名物として知られる串団子です。やわらかな餅を抹茶、黄、小豆の3色のあんで包み、1本の串に刺しています。夏目漱石の小説『坊っちゃん』で、主人公が温泉の帰りに団子屋に寄って団子を食べる場面にちなんで名付けられました。漱石が松山で教師をしていた頃の体験が、小説の題材になったとされます。ただし、作中の団子は「湯晒(ゆざらし)団子」と呼ばれた別の団子で、今の三色団子は小説の発表後、1921年(大正10年)に道後のつぼや菓子舗が考え出したとされます。現在は松山市内の複数の菓子会社が製造し、道後温泉の商店街や駅、港、空港などで買うことができます。手のひらほどの大きさで、甘さひかえめの茶菓子として親しまれています。

発祥

漱石は1895年(明治28年)に英語教師として愛媛県尋常中学校に赴任し、約1年を松山で過ごしました。1906年(明治39年)に発表した『坊っちゃん』には、温泉のある町で団子を食べ、翌日教室の黒板に「団子二皿七銭」と書かれる場面があります。この団子屋は、道後温泉本館の裏手にあった遊郭の入口で湯晒団子を売っていた「茶屋又」がモデルとされます。

歴史

茶屋又は1883年(明治16年)に創業した店で、現在のつぼや菓子舗にあたります。小説の発表後、1921年に2代目の店主が、2色だった湯晒団子を3色に工夫し、「坊っちゃん団子」として売り出したとされます。やがて松山市内のほかの菓子店も作るようになり、道後温泉や松山を代表する土産になりました。つぼや菓子舗では今も、漱石が味わったとされる湯晒団子を手作りし、店内だけで出しています。

特徴

求肥(ぎゅうひ)などのやわらかな餅を3色のあんで包み、串に刺します。一般的には上から抹茶あん、黄色いあん、小豆あんの順に並びます。黄色いあんは卵黄を使う黄身あんが知られていますが、卵を使わない商品もあります。店ごとにあんの材料や日持ちが異なり、1本ずつ個包装にした商品も多く出回っています。

主な食材

餅(求肥)抹茶あん黄身あん(または白あん)小豆あん

食文化

道後温泉の商店街や松山市内の土産物店、ホテルや旅館、駅、港、空港の売店などで広く売られ、松山を訪れた人の定番の土産になっています。道後温泉の店では、店内で団子とお茶を味わうこともできます。

有名店

つぼや菓子舗

愛媛県松山市道後湯之町14-23

1883年創業で、『坊っちゃん』に登場する団子屋のモデルとされる店です。道後温泉駅から歩いて3分ほどの商店街にあり、店内で坊っちゃん団子や、2色の湯晒団子を味わえます。坊っちゃん団子は8本入り864円と紹介されています。

うつぼ屋 本店

愛媛県松山市平田町230

1954年創業の松山の菓子店で、道後温泉本館御用達の坊っちゃん団子を製造販売しています。土産物店や売店で多く見かける坊っちゃん団子の製造元とされ、松山市湊町のいよてつ高島屋にも店があります。

一六本舗 道後本館前店

愛媛県松山市道後湯之町20-17

一六タルトで知られる1883年創業の菓子舗の、道後温泉本館前にある店です。坊っちゃん団子も扱っており、1本108円からと紹介されています。2階には甘味処の一六茶寮があります。

よくある質問

Q. 小説に出てくる団子は、今の坊っちゃん団子と同じですか?

A. 同じではないとされます。作中の団子のモデルは、茶屋又が売っていた2色の湯晒団子で、作中では二皿で七銭です。今の三色の坊っちゃん団子は、小説の発表後の1921年に、この店の2代目店主が考え出したものと伝わります。

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