阿波晩茶

Awa Bancha (Lactic-Fermented Tea of Tokushima)

阿波晩茶 1

画像: Wikimedia Commons

阿波晩茶(あわばんちゃ)は、徳島県の山あいで作られてきた、乳酸菌の働きを利用する後発酵茶です。主な産地は、勝浦郡上勝町(かみかつちょう)と、那賀郡那賀町(なかちょう)の旧相生町(あいおいちょう)域です。海部郡美波町(みなみちょう)などでも作られています。夏に大きく育った茶葉を摘んで大釜でゆで、すって傷をつけたあと、桶に漬け込んで発酵させます。最後に天日で干して仕上げます。乳酸発酵によるほのかな酸味と、やわらかな口当たりが特徴です。もとは各家庭で自分たちが飲むために作られてきたお茶で、家ごとに製法や味が少しずつ異なります。2018年(平成30年)には「四国山地の発酵茶の製造技術」として、国の記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財に選択されました。2021年(令和3年)には「阿波晩茶の製造技術」が国の重要無形民俗文化財に指定されています。

発祥

起源には、弘法大師(空海)が伝えたとする説と、平家の落人である横尾権守が伝えたとする説があります。ただし、いずれも江戸時代より前にさかのぼって裏付ける史料はなく、伝承の域を出ないとされます。「晩茶」の字は、一般的な番茶とは茶葉や製法が異なる後発酵茶であることを区別するため、生産者が使っている表記と説明されています。

歴史

阿波晩茶は、四国山地の標高数百メートルの山間地で、家ごとに自給を中心に作り継がれてきました。2018年3月には、高知県の碁石茶、愛媛県の石鎚黒茶とともに「四国山地の発酵茶の製造技術」として国の選択を受けました。食文化の分野では初めての選択でした。2021年3月には重要無形民俗文化財に指定されています。上勝町では「上勝阿波晩茶」が地域団体商標に登録されています。

特徴

製造は7・8月の夏に行われ、茶摘み、茶ゆで、茶すり、漬け込み、茶干し、選別の工程からなります。摘んだ葉を大釜でゆでて酸化発酵を止め、すって葉の表面に傷をつけます。それを桶に詰めて空気を抜き、乳酸菌で発酵させます。漬け込みは最も大切な工程とされ、期間は那賀町で1〜2週間、上勝町で2〜3週間ほどが一般的です。茶葉自身の酸化ではなく、乳酸菌による発酵を利用する点が特徴です。

主な食材

茶葉(夏に摘んだ大きく育った葉)

食文化

阿波晩茶は、山あいの家々で日常のお茶として飲まれてきました。夏の暑い時季にしか作れないため、その年のお茶は9月ごろから出回り始めます。生産者が予約を受け付け、できあがったものから順に発送することもあります。

有名店

Kamikatsu-TeaMate

徳島県勝浦郡上勝町大字正木字平間155-1

上勝町で阿波晩茶の生産と販売を手がける事業者です。乳酸菌でじっくり発酵させた、ほのかな酸味のある上勝阿波晩茶を作っています。公式サイトでは茶葉100gが1,620円と案内され、500g入りや飲み比べ用の小分けセットもあります。茶摘みなど、季節ごとの農業体験も受け付けています。

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まえばら農園

徳島県勝浦郡上勝町

上勝町で、茶の栽培から阿波晩茶の製造、発送までを自ら手がける農園です。栽培中は農薬や化学肥料を使わず、木桶で発酵させています。7月ごろから製造を始め、例年9月ごろから販売しますが、用意した分がなくなると販売を終えます。ティーバッグの商品もあります。

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阿波番茶 100g(立石園)徳島県物産センターの通販サイトで扱われている阿波晩茶の茶葉で、商品名は「阿波番茶」と表記されている。100g入りで税込1,980円とされる。入荷が限られるため、購入数に制限が設けられたり、売り切れになったりすることもある。購入先を見る →PR

よくある質問

Q. 「晩茶」と「番茶」は違うものですか?

A. 阿波晩茶は「阿波番茶」「阿波ばん茶」と書かれることもあります。ただし、一般的な番茶は発酵させない緑茶の一種で、阿波晩茶は乳酸発酵させる後発酵茶です。茶葉や製法が異なることから、生産者は区別のために「晩」の字を使っていると説明されています。

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