
赤てんは、島根県浜田市で親しまれている練り製品です。スケトウダラなどの魚のすり身に赤唐辛子を練り込み、パン粉をつけて揚げたもので、切ると赤い断面が現れます。ピリッとした辛さと、パン粉のさくさくとした食感が特徴です。戦後の食糧難の時代に浜田のかまぼこ店が考案したといわれ、ハムカツの代わりとして作られたという説と、人気の魚肉ソーセージに対抗して開発されたという説が伝わっています。1980年代にテレビで紹介されたのをきっかけに全国に知られるようになりました。浜田では食卓や弁当のおかず、酒の肴として子どもから大人まで親しまれ、2015年には日本ギフト大賞で島根県賞を受けています。現在は江木蒲鉾店や山本蒲鉾店などが製造しています。
発祥
農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」は、戦後の食糧難の時代に地元のかまぼこ店が、浜田の豊富な魚でハムカツの代用品を考案したのが始まりとしています。ただし、詳しい歴史は分かっていないとも記しています。山本蒲鉾店は、客にハムカツを頼まれたもののハムが手に入らず、色と食感を似せて唐辛子で辛みを加えたのが始まりと伝えます。江木蒲鉾店は、創業者の江木芳市氏が魚肉ソーセージに対抗して原型を開発したと紹介しています。
歴史
山本蒲鉾店によると、当初は「フライ天」と呼ばれ、同じ製法の品を同業者が「赤てん」と名付けたとされます。江木蒲鉾店は、昭和62年(1987年)1月にテレビ朝日の情報番組「なうNOWスタジオ」の取材を受けました。その際、先代社長が分かりやすく説明するために「赤てん」と名付けたと紹介しています。この放送を機に全国に知られ、浜田の特産品として定着しました。「赤天」は江木蒲鉾店の登録商標です。
特徴
魚のすり身に赤い色をつけ、唐辛子を混ぜてピリ辛に仕上げ、パン粉をまぶして揚げます。主な材料はスケトウダラ、赤唐辛子、パン粉です。食べる前にオーブントースターや弱火の網焼きで軽く温めると、衣の香ばしさや食感が引き立ちます。地元では炙ってマヨネーズをつけるのが定番で、醤油や生姜醤油もよく合います。辛さの異なる商品も作られています。
主な食材
食文化
赤てんは「水産の町・浜田のソウルフード」と呼ばれ、家庭のおかずのほか、弁当や酒の肴としても広く食べられています。東京・日比谷にある島根県のアンテナショップ「日比谷しまね館」などでも購入でき、県外でも浜田の味として知られています。
有名店
| 江木蒲鉾店「なうなう赤てん」 | 名前は赤てんを全国に広めたテレビ番組に由来します。真空パックの5枚入りが1,000円程度で、萩・石見空港のオンラインショップなどでも扱われています。やさしい辛さのものと大辛タイプがあります。購入先を見る →PR |
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よくある質問
Q. 赤てんの赤い色は唐辛子の色ですか?
A. すり身には唐辛子が練り込まれていますが、赤い色は主に食紅によるものです。辛さは唐辛子によるピリ辛程度で、子どもから大人まで食べられています。辛さを抑えたものや大辛タイプなど、店や商品によって違いがあります。