横浜家具

Yokohama Kagu

横浜家具 1

横浜家具は、幕末の横浜開港をきっかけに生まれた、日本における西洋家具製造発祥の地とされる工芸です。1863年(文久3年)頃、横浜に居留していたイギリス人ゴールドマンが、日本人の馬具職人・原安造に椅子の修理を依頼したことが始まりと伝えられています。修理の仕上がりに感心したゴールドマンが本国と同じ洋家具の製作を注文したことをきっかけに、地元の木工職人たちが西洋家具の構造や意匠を学び、独自に発展させていきました。釘をほとんど使わずに部材を精密に組み合わせる木組みの技術や、曲線刃の鉋で優美な曲面を削り出す加工など、日本の伝統的な木工技術と西洋家具の様式を融合させた独自の技法が特徴です。明治期にはパリ万博にも出品されるなど国際的にも高く評価されましたが、関東大震災や戦災を経て担い手は減少し、現在は数少ない工房・企業がその技術を受け継いでいます。

発祥

横浜家具の始まりは1863年(文久3年)頃とされます。開港によって横浜に居留したイギリス人ゴールドマンが、日本に持ち込んだ椅子の修理を横浜の馬具職人・原安造に依頼したことがきっかけと伝えられています。仕上がりに感心したゴールドマンが、本国イギリスで作られる洋家具と同じものの製作を日本の職人たちに注文したことから、外国人向けの家具づくりが横浜で本格的に始まりました。当初は「ばんこ屋」と呼ばれた職人たちが修理を通じて洋家具の構造を学び、独自の製法を編み出していきました。

歴史

明治10年代から関東大震災(1923年)までの時期には、東洋趣味の木彫り装飾を施した家具が横浜から盛んに輸出され、パリ万博にも出品されるなど国際的な評価を獲得しました。しかし関東大震災や戦災により多くの工房が被害を受け、戦後の生活様式の変化や大量生産家具の普及も相まって、職人の数は徐々に減少していきました。それでも横浜には技術を受け継ぐ家具メーカーや工房が残り、現在は「横浜クラシック家具」のブランド名のもとで、その伝統的な技術と意匠を今に伝えています。

特徴

横浜家具最大の特徴は、釘をほとんど使わずに部材同士を精密に加工して組み合わせる木組みの技術にあります。また、一般的な洋家具がヤスリで曲面を仕上げるのに対し、横浜家具は刃先が曲線状になった特殊な鉋を用いて曲面を削り出す点も独自性の一つです。機械による大量生産ではなく熟練した職人による手作業を基本とするため生産数は限られますが、その分、幾世代にもわたって使い続けられる堅牢さを備えています。和と洋の意匠を融合させた独創的なデザインも高く評価されてきました。

技法

木組み

釘をほとんど使わず、部材同士を精密に加工して組み合わせる伝統的な接合技法。堅牢で長く使い続けられる家具を生み出す。

曲線鉋(きょくせんがんな)仕上げ

刃先が曲線状になった特殊な鉋を用い、ヤスリではなく刃物で曲面を削り出して仕上げる横浜家具独自の加工技法。

職人・工房

横浜家具ダニエル(株式会社ダニエル)

1973年創業、「洋家具発祥の地・横浜」の伝統を受け継ぐ家具メーカー。元町本店は横浜クラシック家具のブランドを掲げ、店頭には40年以上設置される名物の赤い大椅子がある。

公式サイト →

蓮華草元町工房

横浜山手にショールームを構え、横浜家具の伝統技術を継承しながら無垢材によるオーダーメイド家具の製作・修復を手がける工房。

公式サイト →

購入方法

横浜家具ダニエル元町本店
横浜・元町にある横浜クラシック家具の直営店。伝統の技術を受け継ぐオリジナル家具のほか、輸入家具など幅広い洋家具を取り扱う。購入先を見る →PR

よくある質問

Q. 横浜家具の始まりはいつですか?

A. 1863年(文久3年)頃、横浜に居留していたイギリス人ゴールドマンが、地元の馬具職人・原安造に椅子の修理を依頼したことがきっかけとされています。

Q. 横浜家具は現在どこで見ることができますか?

A. 横浜・元町の「横浜家具ダニエル元町本店」や、横浜山手の「蓮華草元町工房」などで、伝統の技術を受け継ぐ家具を見ることができます。

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