月夜野桐箪笥

Tsukiyono Kiri Tansu

月夜野桐箪笥 1

月夜野桐箪笥は、群馬県利根郡みなかみ町月夜野地区で大正6年(1917年)の創業以来作り続けられてきた桐製の箪笥です。桐は軽くて木肌が上品なうえ、湿度に応じて膨張・収縮する性質により箱の内部を一定の湿度に保つ調湿性を備え、樹液由来の成分が虫を寄せ付けにくいため、大切な着物や道具を湿気や害虫から守る収納家具として古くから重宝されてきました。月夜野地区は良質な桐材が手に入りやすい土地であったことから、木取りから板の乾燥、指物、金具付けまでの工程を一貫して手がける職人技によって、狂いの少ない丈夫な箪笥が作られています。現在は伝統的な様式に加え、現代の住まいに合わせたデザインの桐箪笥や桐箱も製作されており、群馬県ふるさと伝統工芸品に指定される地域を代表する木工技術として受け継がれています。

発祥

月夜野桐箪笥は、群馬県利根郡みなかみ町月夜野地区で大正6年(1917年)に創業した桐材専門の工房を起こりとします。月夜野は利根川上流域にあり、上質な桐材が手に入りやすい土地であったことから、桐箪笥づくりが地場の産業として根付きました。創業以来、材料となる桐材の質にこだわり続け、板の選別から乾燥、指物までを地元の職人が一貫して手がける体制を守ってきたことが、月夜野桐箪笥の技術継承の基盤となっています。

歴史

創業から一世紀を超える間、月夜野桐箪笥は着物や貴重品を湿気や虫害から守る収納家具として、地域の暮らしに寄り添いながら作り続けられてきました。時代とともに生活様式や住宅事情が変化する中でも、桐材へのこだわりと伝統の指物技術を守り続け、近年は伝統的な様式の箪笥に加え、現代の住空間に合う小ぶりな桐箱や収納用品も手がけるようになっています。こうした取り組みが評価され、群馬県ふるさと伝統工芸品に指定されています。

特徴

月夜野桐箪笥の最大の特徴は、素材である桐の性質を最大限に生かしている点にあります。桐は軽くて柔らかく、木肌が上品な木材であると同時に、湿度に応じて木部がわずかに膨張・収縮することで箱の内部を一定の湿度に保つ調湿性を持ちます。さらに樹液に含まれる成分が虫を寄せ付けにくいため、防虫剤なしでも大切な着物や道具を長期間守ることができます。板同士を組み合わせる指物技術により、釘をほとんど使わずに狂いの少ない頑丈な箪笥に仕上げられます。

使用される素材

桐材(会津桐・津南桐など)

制作工程

  1. 1

    木取り・乾燥

    選び抜いた桐の丸太を板に製材し、あくを抜くために水にさらしたのち、天日と雨露にさらしながら数年かけて自然乾燥させ、木の狂いを落ち着かせる。

  2. 2

    木地づくり

    十分に乾燥させた桐板を箪笥の各部材の形に加工する。伝統的な組み接ぎや木釘を用いた指物の技法で、釘をほとんど使わずに部材を組み合わせていく。

  3. 3

    仕上げ

    熱した鏝で表面をあぶり焦がしたのち、「うづくり」と呼ばれる道具でこすって木目の凹凸を浮き立たせ、桐特有の落ち着いた色合いと質感に仕上げる。

  4. 4

    金具付け

    取っ手や飾り金具を取り付け、引き出しの動きなどを最終調整して完成させる。細部に至るまで職人の手作業によって仕上げられていく。

主な産地
  • みなかみ町月夜野

職人・工房

桐匠根津

大正6年(1917年)創業、群馬県利根郡みなかみ町月夜野で100年以上続く桐専門店。会津桐・津南桐のみを厳選して使用し、完全オーダーメイドで桐箪笥や桐箱を製作している。

公式サイト →

購入方法

桐匠根津
月夜野で桐箪笥を製作・販売する専門店。完全オーダーメイドの桐箪笥は18万円程度から、桐箱や米びつなど日用品も取り扱っている。購入先を見る →PR

体験施設

桐匠根津

群馬県利根郡みなかみ町月夜野262

事前連絡のうえ工場見学が可能。桐の植樹イベントなど、桐に親しむ体験企画も不定期に開催されている。

詳細を見る →
#木工#桐箪笥#みなかみ町#月夜野