フラフは、高知県で端午の節句に鯉のぼりと並べて揚げる、大きな手描き染めの旗です。男の子が生まれると、親や親戚が家紋や子どもの名前を入れたフラフを注文し、健やかな成長を願って贈ります。木綿の布に、金太郎や桃太郎、武者、龍、虎などの勇ましい絵柄を色鮮やかに描くのが特徴で、大きなものは幅5m以上にもなります。名前はオランダ語で旗を意味する言葉がなまったものとされ、大漁旗から着想したともいわれます。主に高知市から東の地域で見られる風習です。主な産地の香美市土佐山田町(かみしとさやまだちょう)には、最盛期に十数軒の紺屋(こうや:染物屋)があったとされます。現在も土佐山田町の三谷染工場や、香南市(こうなんし)の吉川染物店が、一枚ずつ手作業で染めています。近年はよさこい踊りの振り旗や、室内に飾るタペストリーとしても親しまれています。
発祥
フラフの起こりには諸説あります。土佐山田町の三谷染工場は、江戸時代の初め頃に土佐で横幟(よこのぼり)として始まったと紹介しています。男児の成長を願って江戸中期から作られるようになった、という説明もあります。香南市の吉川染物店によると、稲の二期作が始まった明治初期頃に、天候が不順な農繁期にも扱いやすい形として工夫され、風習が広まって伝統になったといわれます。
歴史
フラフを揚げるのは、主に高知市から東の海岸地帯の風習とされます。高知城より西の地域には、縦長の幟(のぼり)を揚げる風習があると紹介されています。かつては、子どもが7歳になるまで毎年フラフを揚げ、宴を開いて無病息災を祈ったといわれます。土佐山田町には最盛期に十数軒の紺屋がありました。三谷染工場は120年ほどフラフを作り続け、代々の図柄と色を受け継いでいます。
特徴
大きな木綿布に、金太郎の鯉だき、八幡太郎義家(はちまんたろうよしいえ)の出陣、那須与一(なすのよいち)、加藤清正の虎退治などを描きます。金太郎の鯉だきには、体の丈夫さと立身出世への願いが込められているとされます。三谷染工場では、二布で約2.2m×3m、三布で約3.3m×4.5m、四布で約4.4m×6.1mと、布の幅の数で大きさを表しています。
技法
筒描き(つつがき)
筒に入れた糊を絞り出して布に線を描き、染料が染み込まない部分を作る染めの技法です。吉川染物店では、各地の五月幟(さつきのぼり)と同じく筒描きの技法をもとに、一筆一刷毛に心を込めて全工程を手仕事で制作しています。
線描きと手描きの染色
三谷染工場では、まず絵の輪郭を描く線描きを行い、続いて染色に移ります。顔から描き始め、一枚ずつ手描きで色を染めていきます。湿度によって染料の乾く速さや色の出方が変わるため、仕上がりを見極める経験が求められるといわれます。
使用される素材
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職人・工房
購入方法
- 吉川染物店の受注制作
- 公式サイトでは、名入れのフラフが87,000円、ミニフラフが35,000円から、タペストリーが15,000円からと紹介されています。すべて見積りのうえでの受注制作で、完成まで1〜2か月ほどかかります。価格は変わることがあります。購入先を見る →PR
- 通信販売(サライ)
- 雑誌『サライ』の通信販売では、三谷染工場が手がけた「手描き染めミニフラフ」(110×160cm)が118,800円(税込)で紹介されています。図柄は「金太郎鯉だき」と「八幡太郎義家出陣」です。価格は変わることがあります。購入先を見る →PR
体験施設
まるさん三谷染工場
高知県香美市土佐山田町楠目1504-8
大きなフラフの一部を染める体験(作品は持ち帰り不可)や、持ち帰れる手ぬぐいの染め体験があると紹介されています。4人から40人程度で、1週間前までに電話で予約します。料金は相談制です。新作づくりで忙しい1〜5月を除き、店や工房の見学も受け付けているとされます。
詳細を見る →よくある質問
Q. 「フラフ」という名前は、どこから来たのですか?
A. 吉川染物店によると、オランダ語で旗を意味する言葉がなまったものとされます。オランダ語では旗を「vlag」といいます。また、フラフは大漁旗から着想したともいわれています。
Q. フラフはいつ、どのように飾るのですか?
A. 端午の節句の前後に、鯉のぼりや幟とともに空高く揚げます。両親が男の子の健やかな成長を願って贈るもので、家紋や子どもの名前を染め入れることが多いです。最近は、室内に飾れるミニフラフやタペストリーも作られています。