虎斑竹細工(とらふだけざいく)は、高知県須崎市安和(すさきしあわ)の山でしか育たない「虎斑竹」を使った竹細工です。虎斑竹は淡竹(はちく)の仲間で、竹の表面に虎の毛皮のような茶褐色の模様が現れます。高知出身の植物学者・牧野富太郎が「土佐虎斑竹」と名付けたとされ、ほかの土地に移植しても模様は出なかったといわれます。模様ができる理由には、寄生する菌や潮風の作用といった説がありますが、今も科学的には解明されていません。1894年(明治27年)創業の竹虎(株式会社山岸竹材店)が、この竹を使った製品作りをいち早く始めました。弁当箱や花かご、箸、草履、下駄など、多くの品が作られています。安和にある本社では、工場に隣接する店舗で製品を購入できます。
発祥
虎斑竹は、須崎市安和の急な山の斜面、約1.5kmの範囲にだけ育つとされる竹です。淡竹の変種とされ、学名はPhyllostachys nigra var. tosaensisです。1916年(大正5年)に牧野富太郎が名付けたとされます。牧野は自分の庭で栽培を試みましたが、移植した竹には目的の模様が現れなかったと伝わります。
歴史
虎斑竹を使った製品作りをいち早く始めたのが、1894年に竹材店として創業した山岸竹材店です。屋号の「竹虎」は、扱う虎斑竹にちなんで名付けられました。初代は卯三郎で、現在は四代目の山岸義浩さんが会社を率いています。山の所有者と協力して竹林の拡大と維持に努めており、作る製品は約4,000点にのぼるとされます。
特徴
虎斑竹の模様は、芽が出てから3〜4年後に現れ、特に初霜の後の数か月で鮮やかになるとされます。霜や寒さに当たることで模様がはっきりするため、霜が減ると模様の良い竹は少なくなるといわれます。すべての竹に模様が出るわけではなく、見極めには経験が必要です。伐採した竹をガスバーナーであぶり、にじみ出た油を拭き取ると、模様がくっきりと浮かび上がります。
使用される素材
制作工程
- 1
伐採・選別
毎年11月から1月ごろ、山で模様の出た竹を見極めて切り出します。本社の工場では、職人が竹を切り分けて選別します。模様の出方は一本ごとに異なるため、竹を見分ける目が欠かせません。
- 2
油抜き・矯正
選んだ竹をガスバーナーであぶって油を抜き、表面ににじみ出た油を拭き取ります。この工程で虎斑の模様がはっきりと現れます。続いて竹の曲がりを矯正し、製品づくりに使える材料に整えます。
- 3
編み・仕上げ
材料に整えた竹を、職人が手作業で弁当箱や花かごなどに編み上げます。四ツ目編みや六ツ目編み、「四海波(しかいなみ)」といった伝統的な編み方が使われます。弁当箱では、蓋と身がぴったり合うよう仕上げる技が求められます。
| 主な産地 |
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職人・工房
竹虎(株式会社山岸竹材店)
1894年創業の虎斑竹専門店で、須崎市安和913-1に本社と工場を構えます。四代目の山岸義浩さんが率い、弁当箱や花かご、箸、草履、下駄、竹炭製品など幅広い品を作っています。
公式サイト →購入方法
- 竹虎の本社店舗
- 安和の本社では、工場に隣接する店舗で竹製品やアウトレット品を販売しています。営業は平日の9時〜17時30分で、土日は休みと案内されています。JR安和駅から歩いて5分ほど、須崎西ICから車で5分ほどです。購入先を見る →PR
- 通信販売(サライ)
- 雑誌『サライ』の通信販売では、竹虎が手がけた「虎竹四ツ目弁当箱」が11,880円(税込)で紹介されています。通気性に優れ、食材の味わいを損ないにくいとされます。価格は変わることがあります。購入先を見る →PR
よくある質問
Q. 虎斑竹の模様は、なぜできるのですか?
A. 竹に寄生する菌や潮風の作用によるという説がありますが、科学的にはまだ解明されていません。牧野富太郎や京都大学の研究者らも理由を調べたとされます。ほかの土地に移植した竹には、模様が出なかったと伝わります。
Q. 岡山県の「トラフダケ」とは同じものですか?
A. 別のものです。岡山県真庭市などのトラフダケは、ヤシャダケという竹に菌が寄生して斑紋が生じたもので、自生地が国の天然記念物に指定されています。須崎市安和の虎斑竹は「トサトラフダケ」とも呼ばれ、淡竹の仲間とされています。