
高岡銅器は富山県高岡市を中心に生産される鋳物工芸で、日本国内の銅器生産の大部分を占める一大産地として知られる。起源は1611年(慶長16年)、加賀藩二代藩主・前田利長が高岡城下の産業振興のため、砺波地方などから7人の鋳物師を金屋町に招いたことにさかのぼる。当初は鍋や農具などの日用鉄器が中心だったが、江戸後期に銅器生産へと展開し、仏具や梵鐘、美術工芸品づくりへと発展した。1867年のパリ万国博覧会に出品されて高い評価を得たことを契機に、明治・大正期には生産量が飛躍的に拡大し、国内外に高岡の名を知らしめた。最大の特徴は、双型・焼型・蝋型・生型といった多様な鋳造技法に、毛彫りや透かし彫りなどの彫金、鉄漿色や青銅色などを発色させる着色技法を組み合わせる総合力にあり、小さな置物から寺院の梵鐘、屋外の大型モニュメントまで幅広く手がけられる。1975年に経済産業大臣指定伝統的工芸品に指定され、現在は仏具から現代アート、生活雑貨まで幅広い製品が作られている。
発祥
高岡銅器の起源は1611年(慶長16年)、加賀藩二代藩主・前田利長が高岡の城下町を発展させるため、砺波地方などから7人の鋳物師を高岡・金屋町に招いたことに始まる。当初は鍋や鋤、鍬といった日用の鉄鋳物が主に作られており、これが後の銅器生産の礎となった。
歴史
江戸後期の1830年代から1848年頃にかけて鉄鋳物から銅鋳物への転換が進み、仏具や花瓶、置物など美術工芸品としての銅器生産が本格化した。象嵌や彫金といった加飾技術も発達し、1867年のパリ万国博覧会に出品された作品が高く評価されたことで販路が国内外に広がった。明治・大正期にかけて生産が飛躍的に拡大し、1975年には経済産業大臣指定伝統的工芸品に指定された。
特徴
最大の特徴は、双型・焼型・蝋型・生型など複数の鋳造技法と、毛彫り・透かし彫り・肉彫りといった彫金、鉄漿色や宣徳色など化学反応を利用した発色技法を組み合わせた総合力にある。小さな仏具から寺院の梵鐘、屋外設置の大型モニュメントまで自在に作り分けられ、近年は錫や真鍮を用いた食器・インテリア雑貨など生活道具への展開も進んでいる。
技法
鋳造
砂を用いる生型、鋳型を焼き固める焼型、ろうで原型をつくり溶かし出す蝋型(ロストワックス)など複数の鋳造技法を、製品の形状や用途に応じて使い分ける。
彫金
鋳肌に毛彫りや透かし彫り、肉彫りなどノミを用いた加飾を施す技法で、刀装具づくりから発展した繊細な文様表現を可能にしている。
発色(着色)
薬品と金属の化学反応を利用し、鉄漿色や宣徳色、青銅色など多彩な色合いを金属表面に生み出す独自の着色技法。
使用される素材
制作工程
- 1
原型製作
木や粘土、蝋などで製品の原型をつくる。
- 2
鋳型製作
原型をもとに生型・焼型・蝋型などの鋳型を作る。
- 3
鋳込み
溶かした金属を鋳型に流し込み成形する。
- 4
仕上げ
鋳型から取り出した鋳物のバリを取り、やすりで表面を整える。
- 5
彫金・発色
毛彫りなどの加飾を施したのち、薬品による発色で色合いを仕上げる。
| 主な産地 |
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職人・工房
購入方法
- 能作 直営店・FACTORY SHOP
- 高岡本社のFACTORY SHOPをはじめ日本橋三越や松屋銀座など全国の百貨店に直営店を展開し、錫・真鍮製の食器やインテリア雑貨を購入できる。購入先を見る →PR
- 高岡地域地場産業センターZIBAオンラインショップ
- 高岡銅器をはじめ高岡の伝統的工芸品を扱う施設ZIBAが運営するオンラインショップで、複数の窯元・工房の製品をまとめて購入できる。購入先を見る →PR
体験施設
よくある質問
Q. 高岡銅器と他産地の銅器の違いは何ですか。
A. 高岡銅器は鋳造・彫金・着色という三つの工程をすべて一貫して行える点が特徴で、仏具から梵鐘、屋外の大型モニュメントまで幅広い製品を手がけられる総合力の高さが他産地との違いとされる。
Q. 高岡銅器は日本の銅器生産のどれくらいを占めていますか。
A. 高岡は全国の銅器生産の大部分を占める一大産地とされ、寺院の梵鐘や仏具、屋外彫刻など多様な鋳物製品が高岡で製造されている。