雪村うちわ

Sesson Uchiwa

雪村うちわ 1

雪村うちわは茨城県常陸太田市に伝わる茨城県郷土工芸品指定のうちわで、室町時代に同地に滞在した画僧・雪村周継が水墨画を描いたうちわを配ったことに始まると伝えられる。地元産の真竹を細く裂いた骨にい草を交差させて編み、常陸大宮市で漉かれる丈夫な和紙「西ノ内紙」を貼って仕上げる。図柄には馬や朝顔、案山子、水戸八景など雪村ゆかりの山水花鳥画が用いられ、水戸藩2代藩主・徳川光圀も愛用したと伝えられている。伐採から仕上げまで33にも及ぶ全工程を手作業で行うため、年間の製造数は2,000本ほどにとどまる。江戸時代から200年以上にわたり一軒の店が家業として技を受け継いでおり、現在は4代目が唯一の担い手として制作を続けている。

発祥

雪村うちわの起源は室町時代末期、常陸太田市に滞在した画僧・雪村周継が水墨画を描いたうちわを地元の人々に配ったことに始まると伝えられる。雪村は雪舟や中国の画法にも学び、花鳥山水を力強い筆致で描いたことで知られる画僧で、会津黒川城主にも絵を教えたという。うちわに描かれた馬や朝顔、案山子、水戸八景などの図柄は、いずれも雪村にゆかりの深い画題である。

歴史

江戸時代には水戸藩2代藩主・徳川光圀も雪村うちわを愛用したと伝えられ、以来200年以上にわたり常陸太田市の一軒の店が家業として技を継承してきた。伐採から仕上げまで全33工程を手作業で行う手間のかかる製法が今日まで守られており、現在は4代目にあたる圷総子氏が唯一の担い手として制作を続けている。茨城県郷土工芸品にも指定されており、地域を代表する工芸品として知られている。

特徴

地元産の真竹を細く裂いた骨組みにい草を交差させて編み込み、常陸大宮市で漉かれる丈夫な和紙「西ノ内紙」を貼って仕上げるのが特徴。竹を薄く裂く工程が最も難易度が高いとされ、竹は8ヶ月以上天日干しすることで丈夫で長持ちする素材に仕上げられる。図柄には馬や朝顔、案山子、水戸八景など雪村ゆかりの山水花鳥画が用いられ、四角い形と高い耐久性を兼ね備える。手間のかかる工程のため年間の製造数はおよそ2,000本にとどまる。

使用される素材

マダケ(真竹)イグサ西ノ内紙

制作工程

  1. 1

    竹の選別・下ごしらえ

    地元産の真竹を選び、細く割ってから8ヶ月以上天日に干し、丈夫でしなやかな骨材に仕上げる。

  2. 2

    骨組みづくり

    薄く裂いた竹ひごを放射状に組み、うちわの骨格を作る。竹を均等な薄さに裂く工程が最も難しいとされる。

  3. 3

    い草編み

    骨組みにい草を交差させて編み込み、紙を貼るための下地を整える。

  4. 4

    紙張り

    常陸大宮市産の丈夫な和紙「西ノ内紙」を骨組みに貼り付ける。

  5. 5

    乾燥・仕上げ

    貼り付けた紙をしっかりと乾燥させたのち、縁を整えて仕上げる。全体で33にも及ぶ工程をすべて手作業で行う。

主な産地
  • 常陸太田市

職人・工房

枡儀団扇店

常陸太田市塙町で200年以上にわたり雪村うちわを作り続ける家業の店。4代目の圷総子氏が唯一の担い手として、竹選びから絵付けまで全工程を手作業で守り続けている。

購入方法

枡儀団扇店(直売)
小サイズ3種類、大サイズ20種類ほどの雪村うちわを製作・販売する。手間のかかる工程のため年間生産数は限られ、常陸太田市内の物産店などでも取り扱われることがある。
#うちわ#雪村#西ノ内紙#常陸太田市#茨城県郷土工芸品