佐世保独楽

Sasebo Goma (Spinning Tops of Sasebo)

佐世保独楽 1

画像: Wikimedia Commons

佐世保独楽(させぼごま)は、長崎県佐世保市に伝わる木製の独楽です。らっきょうのように丸みを帯びた胴と、先端に打ち込んだ「ケン(剣)」と呼ばれる鉄の芯が特徴です。胴の上部は青(緑)・赤・黄・白・黒の五色で塗り分けられ、この配色は中国の陰陽五行説の影響を受けたものとされます。ひもを巻いて投げて回す独楽で、相手の独楽に当てて競う遊び方から「喧嘩独楽(けんかごま)」とも呼ばれます。形は台湾やインドの系統とされ、南方から中国を経て長崎に伝わったといわれています。1993年(平成5年)に長崎県の伝統的工芸品に指定されました。現在は佐世保独楽本舗が製作を続けています。子どもの遊びが変わった今は、正月の縁起物や節句の贈り物、インテリアとしても親しまれています。

発祥

長崎県の紹介では、佐世保独楽の形は台湾・インドの系統で、南方から中国を経て長崎へ伝わったといわれています。佐世保独楽本舗は、もとは漁師たちが作ったとされ、約300年の歴史があると紹介しています。伝わった時期や経路をはっきり示す史料は少なく、言い伝えとして語られています。

歴史

佐世保独楽本舗の歴史によると、店の前身は1907年設立の山本貞右衛門商店です。1915年ごろから玩具と独楽の部門に力を入れました。戦後の1949年ごろに民芸品としての本格的な製作が始まったとされます。1960年には持ち運べるろくろを開発し、独楽作りの実演販売を始めました。1964年の東京オリンピックでは土産品にも選ばれたとされます。1993年に長崎県の伝統的工芸品に指定され、指定は同店で作られた独楽が対象と紹介されています。

特徴

材料にはブナ科の広葉樹マテバシイが使われます。胴はらっきょう形で頭が重く、逆さまに持って投げると、ひとりでに起き上がって回ります。上部の五色は世界や宇宙を表すともいわれます。先端の鉄製のケンは菱形で、一つずつ手作りされています。佐世保市内には、この独楽をかたどったガードレールもあると紹介されています。

技法

五色の彩色

胴の上部を青(緑)・赤・黄・白・黒の五色で塗り分けます。白は木の生地の色を生かしたものです。陰陽五行説(万物を木・火・土・金・水の五つで説明する考え方)の影響を受けた配色とされ、五色は世界や宇宙を意味するといわれています。

ケン(剣)

独楽の先端に打ち込む鉄の芯で、菱形(正八面体)に仕立てた独特の形をしています。佐世保独楽本舗では一つひとつ手作りしていると紹介されています。喧嘩独楽では、このケンを相手の独楽に当てて勝負します。

使用される素材

マテバシイ(ブナ科の広葉樹)鉄(ケン)ひも
主な産地
  • 佐世保市

職人・工房

佐世保独楽本舗

佐世保市島地町で佐世保独楽を作り続ける店です。1907年設立の山本貞右衛門商店を前身とし、二代目の山本貞右衛門は1983年に長崎県民表彰を受けています。四季折々の独楽を300種以上作っていると紹介されています。

公式サイト →

購入方法

佐世保独楽本舗の店頭
JR佐世保駅から徒歩約10分の店舗で購入できます。観光情報サイトでは、佐世保独楽は2,000円程度から、喧嘩ゴマは1,000円程度からと紹介されています。価格や営業日時は変わることがあるため、電話(0956-22-7934)で確認すると確実です。購入先を見る →PR

体験施設

佐世保独楽本舗のワークショップ

長崎県佐世保市島地町9-13

自分だけのオリジナル独楽を作るワークショップなどを予約制で開いています。公式サイトでは、利用は学校や企業などの団体に限ると案内されています。料金は有料で、内容とあわせて問い合わせフォームから確認が必要です。

詳細を見る →

よくある質問

Q. 喧嘩独楽はどうやって遊ぶのですか?

A. 佐世保独楽本舗の案内では、まず全員が下投げの「引きごま」で一斉に回し、長く回った順に順位を付けます。続いて最下位の人から順に、上から投げる「投げごま」でほかの独楽に当てていきます。ルールは地域によって違うとされます。

Q. 回す前の掛け声はありますか?

A. 回し始める前に「いきながしょうもんしょうくらべ」と掛け声をかけるとされます。誰が長く回せるかを競おう、という意味合いと紹介されています。言葉の終わりの部分は地域によって違うともいわれます。

Q. 初めてでも回せますか?

A. ひもの端に結び目を作り、反対の端を親指で押さえてケンの周りに時計回りに巻きます。結び目を薬指と小指の間に挟み、ケンを上にして持ちます。腕を後ろに引いて前へ投げ出すと、頭が重いため自然に起き上がって回ります。

Q. 海外でも知られていますか?

A. 佐世保独楽本舗の年表では、1961年からドイツ、イタリア、フランスへの輸出や、ニューヨークとサンフランシスコの見本市への出品が本格化したとされます。昭和20年代には、輪鼓(りゅうご)独楽がボタン用としてイタリアとフランスから注文されたとも紹介されています。

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