尾張仏具は、名古屋市南部の門前町・大須周辺を中心に作られてきた仏具の総称で、木地に幾重にも漆を塗り重ねた深い光沢と、金箔・金粉による華やかな加飾、精緻な錺金具(かざりかなぐ)を特徴とします。始まりは1609年の名古屋城築城にさかのぼり、城下町「南寺町」の造営に携わった宮大工たちが、のちに仏具づくりへと転じたことによります。江戸後期には下級武士の内職であった錺金具づくりの技術も取り込まれ、木曽檜など良質な木材を用いて木地・彫刻・漆塗り・金箔押し・錺金具の高度な分業体制のもとで発展しました。明治以降は問屋を中核とした流通網が整い、尾張地域が交通の要衝であったことも後押しして、尾張仏具は全国の寺院・在家へと広く供給されるようになりました。現在も宗旨宗派や用途に応じて1000種類以上の仏具が作られており、須弥壇や香炉、燭台、輪灯など機能性と装飾性を兼ね備えた造形が特徴で、2017年には国の伝統的工芸品に指定されています。
発祥
尾張仏具の起源は1609年(慶長14年)の名古屋城築城にさかのぼります。城下町の南端に形成された「南寺町」には多くの寺院が建立され、その造営に携わった宮大工たちがのちに仏具づくりへと転じたのが始まりとされます。江戸時代を通じて、下級武士の内職として発展した錺金具づくりの技術も仏具製作に取り込まれ、尾張藩の保護のもとで木地・彫刻・漆塗りなどの専門技術が育まれていきました。
歴史
江戸時代には木曽檜など尾張周辺で産する良質な木材を用い、木地師・彫刻師・塗師・金箔師・錺金具師による高度な分業体制が確立されました。明治期以降は問屋が生産と流通の中核を担い、交通の要衝であった尾張地域から仏具が全国の寺院・在家へと供給されるようになりました。こうした歴史を経て2017年1月26日、経済産業大臣指定の伝統的工芸品に指定されています。
特徴
木製漆塗りを基本とし、木地に幾重にも漆を塗り重ねた深い光沢、金箔・金粉による華やかな加飾、そして仏教美術の様式にのっとった精緻な意匠が特徴です。現在では宗旨宗派や寺院用・在家用の別により細分化された1000種類以上の仏具が作られ、須弥壇や香炉、燭台、木魚、輪灯など機能性と装飾性を兼ね備えた造形が高く評価されています。
使用される素材
制作工程
- 1
木地
木曽檜などの木材を仏具の形に加工する。
- 2
彫刻
木地に文様や仏教美術の意匠を彫り込む。
- 3
漆塗り
木地に漆を幾重にも塗り重ね、深みのある光沢を出す。
- 4
金箔押し
漆の上に金箔・金粉を施し、華やかな加飾を加える。
- 5
錺金具
真鍮などの金属でつくった錺金具を打ち、仏具に取り付ける。
| 主な産地 |
|
|---|
職人・工房
購入方法
- Wayuan 和悠庵(オンラインストア)
- 尾張仏具の錺金具技術を生かしたアクセサリーや小物を扱うノヨリのオンラインショップ。バングルやピアスなどを購入できる。購入先を見る →PR
- 伝統工芸 青山スクエア
- 全国の経済産業大臣指定伝統的工芸品を扱う東京のアンテナショップ。尾張仏具技術保存会が定期的に展示会・製作実演を行っている。購入先を見る →PR
体験施設
よくある質問
Q. 尾張仏具と名古屋仏壇はどう違うのですか?
A. 尾張仏具は仏壇の中に納める須弥壇・香炉・燭台・木魚など仏具そのものを指す工芸品で、仏壇本体を指す「名古屋仏壇」とは製造工程や職人の系統が異なります。両者が組み合わさって一つの仏壇空間がつくられます。