大阪欄間

Osaka Ranma (Osaka Transom Panels)

大阪欄間 1

大阪欄間(おおさからんま)は、大阪府内で作られている欄間です。欄間とは、和室の鴨居(かもい)の上に取り付け、光と風を通しながら部屋を飾る建具をいいます。始まりは17世紀初期とされ、和泉市の聖神社(ひじりじんじゃ)や大阪市の四天王寺に、その技法のもととなる技術が見られます。江戸時代中期には、商家を中心とした一般の住宅にも取り入れられました。屋久杉の木目を生かした絵画のような「彫刻欄間」、桐の板に模様をくり抜く「透彫(すかしぼり)欄間」など、種類の多さが特徴です。ほかに、細い桟を並べる「筬(おさ)欄間」や、幾何学模様の「組子欄間」も作られています。二間続きの和室を仕切るため、表と裏の両面を見せる作りになっています。1975年(昭和50年)に国の伝統的工芸品に指定されました。

発祥

大阪府は、大阪欄間の伝統技法の発祥が、17世紀初期に建てられた聖神社(和泉市)や四天王寺(大阪市)などに見られると紹介しています。欄間はもともと貴族や寺社など、限られた人々の建物を飾るものでした。四天王寺は石山合戦のさなかに焼失し、豊臣秀頼の代に再建されました。欄間に彫刻を施す「大阪欄間彫刻」も、17世紀初期が起源とされます。

歴史

江戸時代中期になると、欄間は商家を中心とした一般の住宅にも広まりました。茶の間や客間の鴨居の上に、採光と通風のための実用品として、また家の品格を示す装飾として取り付けられました。欄間を入れる家が多かったため大阪には職人も多く、伝統工芸として栄えました。1975年に国の伝統的工芸品に、1985年には「大阪欄間彫刻」が大阪府の伝統工芸品に指定されています。

特徴

大阪欄間は、彫刻欄間、透彫欄間、筬欄間、組子欄間、節抜欄間、書院欄間など種類が豊富です。欄間の産地としては富山県の井波も知られ、そちらは彫刻欄間が主体とされます。大阪欄間は、二間続きの和室の間に入れるため、両面とも「表」として仕上げます。表と裏で異なる図柄を彫ることもあり、高い技術が求められます。

技法

彫刻欄間

樹齢1000年を超える屋久杉などの杢目(もくめ)を生かし、花鳥や風景を立体的に彫り出す。重なりを区別する「なみ彫り」、深く彫って遠近感を出す「上彫り」、3重4重に重なって見える「かご彫り」などを使い分ける。

透彫欄間

桐や杉の薄い板に、細い鋸で模様をくり抜いて透かしを作る。伝統的工芸品の基準では、透かし模様の切り口が板に対して直角になるように彫ることとされている。花鳥山水を彫る場合は、「むく打ち操り小刀」などを使い、下絵の先端の細部まで繰り抜く。

筬欄間・組子欄間

筬欄間は、機織りの筬(おさ)のように細い桟を縦に並べた欄間で、繊細な印象を与える。組子欄間は、細い木材を組み合わせて幾何学模様を表す。いずれも材料の割り出しや組み方に専用の技法が定められている。

使用される素材

屋久杉杉檜桐イボタ蝋(磨き用)

制作工程

  1. 1

    製材・乾燥

    原木を板に製材し、湿気がなく風の当たらない場所で板を立てて陰干しする。乾燥には3か月以上をかけ、木の種類によっては2〜3年かかる。

  2. 2

    木取り・下絵描き

    1組ずつ墨付けと寸法切りをし、11mm以上の厚さに削る。型紙は使わず、木目を見ながら板に毛筆と墨で直接下絵を描く。

  3. 3

    挽き・繰り・彫り

    細い鋸で表裏を通して不要な部分をくり抜き、切り口の荒れを整える。続いて平面彫りで木目を生かし、立体彫りで遠近感を出す。

  4. 4

    磨き・額縁組

    うづくり(木目を浮き立たせる磨き道具)とイボタ蝋で木目を磨き出す。額縁を組み、彫り上がった欄間をはめ込んで完成させる。

主な産地
  • 大阪市
  • 摂津市
  • 吹田市
  • 貝塚市
  • 松原市

職人・工房

木下らんま店

大阪府摂津市鳥飼野々にある、1969年(昭和44年)創業の欄間店。伝統工芸士の木下文男さん・木下朋美さんが、素材選びからデザイン、仕上げまで一貫して欄間を作る。社寺彫刻の新調・修復や木彫看板も手がけ、大阪欄間工芸協同組合の事務局も置かれている。

公式サイト →

購入方法

大阪欄間工芸協同組合
大阪欄間の共同受注を行う組合で、摂津市鳥飼野々の木下らんま店内にある。大阪府の紹介では、透彫欄間が2枚1組25万円程度から、彫刻欄間が37万円程度から。書院欄間は1枚7万円程度から、掛額は1万円程度からで、納期は20日以上。購入先を見る →PR

体験施設

木下らんま店 大阪欄間彫刻体験

大阪府摂津市鳥飼野々1-27-24

伝統工芸士の指導で、杉や檜の板を彫ってコースターやミニ欄間を作る。料金は内容により3,500〜1万1,000円程度で、掲載媒体によって金額が異なる。対象は小学4年生以上で、電話での事前予約が必要。

詳細を見る →

よくある質問

Q. 欄間にはどんな役割があるのですか?

A. 部屋と部屋の間や、鴨居の上の空間に取り付け、光を取り入れたり風を通したりする役割があります。同時に、その家の品格を表す室内装飾でもあります。大阪欄間は、こうした実用性と装飾性を兼ね備えている点が特徴とされます。

Q. 欄間1枚を作るのにどれくらいかかりますか?

A. 伝統工芸 青山スクエアの取材記事では、シンプルなもので3日ほど、凝ったものでは半年から1年ほどかかると紹介されています。特に彫刻欄間は表裏の両面を彫るため手間がかかりますが、そのぶん華麗で重厚な趣があります。

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