見島鬼ようず

Mishima Oni-yozu (Mishima Demon Kite)

見島鬼ようず 1

見島鬼ようず(みしまおにようず)は、山口県萩市の沖合約45kmの日本海に浮かぶ見島に伝わる凧です。見島では凧を「ようず」と呼び、和紙に赤・青・黒の3色で鬼の顔を大きく描いた凧を「鬼ようず」といいます。「鬼揚子」「鬼ヨーズ」「おにようず」などとも書かれます。島では跡取りとなる長男が生まれると、年の暮れに親戚や知人が集まって大凧を作り、正月に揚げて子の成長を祈る風習があります。大きいものは畳6〜8枚分にもなります。いかつい鬼の顔には、子が強く育つようにとの願いと魔除けの意味が込められています。鬼の目に付ける紙の房は「涙」と呼ばれ、人の情けを忘れない子に育つようにとの願いを表します。小さな鬼ようずは玄関に飾ると縁起がよいとされ、家内安全や商売繁盛を願う土産にもなっています。島では例年10月に「全国凧揚げ大会 in 見島」が開かれてきました。

発祥

見島では、凧のことを「ようず」と呼びます。中国で凧を指した「揚子」や「鷂子」という呼び名が、そのまま伝わったものと考えられています。島では「妖図」の字をあてることもあるといいます。鬼ようずは平安時代からあったとも伝えられますが、確かな起源は分かっていません。長男の誕生を祝って大凧を揚げる風習は、島の家々で受け継がれてきました。

歴史

長男が生まれた家では、その年の暮れに親戚や知人が総出で大凧を作り、元日の朝に一斉に揚げたといいます。威勢よく揚がる凧のように、子が元気に育つことを願うものです。この風習は今も受け継がれています。例年10月半ばには、島の八町八反(はっちょうはったん)と呼ばれる田んぼ地帯で「全国凧揚げ大会 in 見島」が開かれ、鬼ようずや連凧が空を彩ってきました。島の作り手は、島外の子どもたちへの制作指導などの普及活動にも取り組んでいます。

特徴

鬼ようずは、鬼の顔を描いた和紙の裏に竹の骨を張って作ります。鬼の顔の描き方は「鬼かき」と呼ばれます。紅白の縞模様の尾「ヘコ」や、鬼の目に付ける紙の房「涙」、横骨に付ける「弓ズル」などの部品があります。凧糸は「メイマ(迷魔)」と呼ばれ、凧が魔に迷わず子の将来を守るようにとの願いが込められています。玄関や入口に飾ると災難を免れ、店にあれば商売繁盛につながるとも言い伝えられています。

使用される素材

和紙竹
主な産地
  • 萩市

職人・工房

多田一馬

見島に住む鬼ようずの作り手で、1948年(昭和23年)生まれ。祖父の多田源水が毎日鬼ようずを作っていた作業場で育ち、島で制作を続けている。紹介記事によれば、福島県の子どもたちへの制作体験の指導や、宇部市での普及活動にも取り組んでいる。

公式サイト →

購入方法

道の駅萩往還 ネットストア(鬼揚子キット)
道の駅萩往還のネットストアで「萩・見島の伝統工芸 鬼揚子キット」を扱い、価格は2,750円程度である。本物と同じ和紙の本体と見島産の竹の骨、凧糸がセットになり、組み立て動画のDVDも付く。完成すると高さ63cm(尾を除く)、幅39cmほどになる。購入先を見る →PR

よくある質問

Q. 「鬼ようず」「鬼揚子」「おにようず」はどう違いますか?

A. いずれも見島の同じ凧を指す表記の違いです。見島では凧を「ようず」と呼び、漢字では「揚子」や「楊子」、「妖図」をあてることもあります。カタカナで「鬼ヨーズ」と書かれることもあり、観光案内や商品によって表記はさまざまです。

Q. 見島へはどうやって行けますか?

A. 萩市の萩商港から、萩海運の高速船「ゆりや」で約1時間10分です。乗船場は、JR萩駅から萩循環まぁーるバス西回りで24分の「定期船のりば入口」で降り、歩いて3分ほどの場所にあります。

Q. 鬼ようず作りを体験できますか?

A. 2021年時点の紹介記事では、見島観光協会に事前に予約すると「ミニ鬼ようず凧作り体験」ができるとされています。料金や現在の実施状況は、事前に協会へ確認してください。島へ行けない場合は、鬼揚子キットを使って自宅で組み立てることもできます。

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