丸亀うちわ

Marugame Uchiwa (Marugame Round Fans)

丸亀うちわ 1

丸亀うちわは、香川県丸亀市を中心に作られているうちわです。江戸時代初期に金毘羅参りの土産として考案された渋うちわが始まりとされ、丸亀藩が藩士の内職として奨励したことで、丸亀を代表する地場産業に育ちました。柄と骨を一本の竹から作るのが本来の丸亀うちわで、1本あたり47もの工程があり、そのほとんどを職人の手仕事が支えています。1997年(平成9年)5月に国の伝統的工芸品に指定されました。香川県うちわ協同組合連合会によると、国内シェアは約9割、年間生産量は約1億本以上で、形の種類の多さとあわせて日本一とされます。全国からうちわ作りを任されるうちに、各産地の特長も取り入れてきました。丸亀市中津町の丸亀うちわミュージアムでは、職人の実演を見学でき、自分だけのうちわ作りも体験できます。

発祥

丸亀うちわの起源は、1633年(寛永10年)に金毘羅大権現の別当・金光院の住職が、参拝土産として考案した渋うちわにあると伝わります。天狗の羽団扇にちなみ、朱色に「丸金」の印を入れた、男竹丸柄(おだけまるえ)の丈夫なうちわでした。丸亀うちわの技術は、江戸時代初期までには確立していたと考えられています。

歴史

江戸時代には丸亀藩が藩士の内職としてうちわ作りを奨励し、産地の基盤が築かれました。天明年間(18世紀後半)には、製作の中心が女竹丸柄へ移ったとされます。19世紀には金毘羅参りの人々が丸亀港から上陸し、うちわは土産として全国に広まりました。明治には現在の主流である男竹平柄が作られ始め、分業化と工場生産が進みます。1997年に国の伝統的工芸品に指定されました。

特徴

竹は愛媛、紙は高知、糊は徳島と、材料を四国の近隣でそろえられたことが産地の発展を支えたとされます。本来の丸亀うちわは柄と骨を一本の竹から作り、細く裂いた穂を糸で編んで扇面の骨組みにします。地紙は破れにくくするため、紙の厚さに応じて糊の濃さを変えて貼ります。平柄・丸柄をはじめ、形の種類が多いことも特徴です。

使用される素材

竹(男竹・女竹)地紙(和紙など)糊綿糸

制作工程

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    ふしはだけ

    竹を一定の幅に割り、節を除いて、穂になる内側の部分を取り出します。竹の厚みを均一にそろえることが、仕上がりを左右する大切な作業です。うちわ作りは大きく「骨」と「貼り」の工程に分かれ、ここから骨づくりが始まります。

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    割き・もみ

    切込機で穂先に切り込みを入れ、同じ間隔で32〜42本ほどの穂に裂きます。その竹を左右にひねり、繊維に沿わせて節までもみおろして、しなやかな穂に整えます。

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    穴あけ・鎌削り

    節の部分に、鎌(かま)と呼ぶ部材を通す穴を三つ目錐であけます。鎌は切り出し小刀で削って作り、丸亀うちわ特有の美しい曲線を表す重要な部材です。種類によって太さや長さを変えます。

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    編み・付け

    鎌に糸を通して穂を編みます。主に白い綿糸を使い、絹糸や色糸を使うこともあります。鎌と糸山がきれいな曲線を描くように穂をそろえ、左右対称に整えてから糸を留めます。

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    貼り

    うちわの種類に応じて糊の濃さを調整し、穂と地紙に糊をつけて貼り合わせます。破れにくいうちわに仕上げるため、素材の厚さに合わせた糊の加減が職人の腕の見せどころです。

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    たたき・へり取り

    形に合わせた「たたき鎌」を当てて木づちでたたき、余分な部分を切り取ってうちわの形にします。最後に周囲へ細長い「へり紙」を貼り、「みみ」や「ぎぼし」を付けて完成させます。

主な産地
  • 丸亀市

職人・工房

丸亀塩屋団扇株式会社

丸亀市飯野町に拠点を置くうちわメーカーで、香川県うちわ協同組合連合会の会員です。伝統の技と現代の感性を組み合わせたものづくりを掲げ、竹うちわのほか、ポリうちわや手作りうちわセットなども製造・販売しています。

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紙工芸やまだ(うちわ屋涼)

1975年に設立された仲多度郡まんのう町の会社で、2020年に丸亀うちわの専門店「うちわ屋涼」を立ち上げました。伝統工芸士の手作業による、一本の竹から作る丸亀うちわを手がけています。

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購入方法

丸亀うちわミュージアム(ミュージアムショップ)
伝統工芸士が作った伝統的な丸亀うちわから、デザイナーや和紙職人とのコラボうちわ、うちわの技術を生かした小物まで扱っています。贈答用の化粧箱やうちわ立ても販売しています。購入先を見る →PR
うちわ屋涼
紙工芸やまだが手がける丸亀うちわの専門店です。クラウドファンディングで紹介された丸亀うちわは、一般販売予定価格が1本4,950円(税込)でした。伝統的工芸品の丸亀うちわは、5,000円前後が一つの目安といえます。購入先を見る →PR

体験施設

丸亀うちわミュージアム

香川県丸亀市中津町25-1

伝統工芸士らの指導で、好きな図柄を選んで丸亀うちわを1本作れます。体験料は1本1,000円で、5歳以上が対象、前日15時30分までの予約制です。所要時間は約40〜50分です。入館は無料で、水曜日が休館です。

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よくある質問

Q. なぜ丸亀でうちわ作りが盛んになったのですか?

A. 金毘羅参りの土産として広まったことに加え、丸亀藩が藩士の内職として奨励したことが大きいとされます。竹・紙・糊を四国の近隣でそろえられたことや、丸亀港が参拝客の玄関口だったことも産地を支えました。

Q. 丸亀うちわにはどんな形がありますか?

A. 柄の形で大きく「平柄」と「丸柄」に分かれ、平柄の中にも一文字、玉子、亀山などさまざまな型があります。江戸時代は男竹丸柄や女竹丸柄が中心で、明治以降に生まれた男竹平柄が現在の代表的な型とされます。

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