
金魚ちょうちんは、山口県柳井市に伝わる、金魚の姿をした提灯(ちょうちん)の民芸品です。竹ひごで骨組みを作って和紙を貼り、胴体に模様を描いて目やひれを付け、愛らしい金魚に仕上げます。鮮やかな赤には、柳井の伝統織物「柳井縞(やないじま)」の染料が使われています。由来には、幕末に柳井の商人が青森県の金魚ねぷたをヒントに考案したという言い伝えがあります。白壁の町並みでは家々の軒先に吊るされ、町のシンボルとして親しまれています。毎年8月13日には「柳井金魚ちょうちん祭り」が開かれ、駅前の通りや白壁の町並みに数千個の金魚ちょうちんが飾られます。夜には灯りがともり、大きな金魚ねぶたが通りを練り歩きます。白壁の町並みにある体験施設「やない西蔵(にしぐら)」では、30分ほどで仕上がる製作体験ができます。
発祥
金魚ちょうちんの始まりは、江戸時代末期とされます。観光案内などでは、柳井津金屋(やないづかなや)でロウソクを商う「さかい屋」の主人・熊谷林三郎が考案したと紹介されています。青森のねぶたにヒントを得て、柳井縞の染料を使って作ったといいます。弘前の「金魚ねぷた」が土産として柳井に持ち帰られたのがきっかけとする紹介もあり、いずれも言い伝えとして語られています。
歴史
金魚ちょうちんはその後いったん途絶えましたが、1962年(昭和37年)に文献をもとに復活したと伝えられます。現在は白壁の町並みの軒先を彩り、柳井を代表する民芸品となりました。毎年8月13日には柳井金魚ちょうちん祭りが開かれ、2026年で第35回を数えます。祭りの時期には駅前の麗都路通りなどに約4,000個が並び、金魚ねぶたの練り歩きや踊り、花火が行われます。
特徴
竹ひごで組んだ骨組みに和紙を貼り、溶かしたロウや染料を塗って仕上げます。胴体に模様を描いて目を貼り、尾びれや胸びれを付けて金魚の姿にします。赤い染料には少し黄色を混ぜ、明るい色合いにしているといいます。定番は赤ですが、近年はピンクや水色のもの、もみじ柄の秋向けのものも作られています。窓に付けられる吸盤付きの小さなものなど、大きさもさまざまです。
使用される素材
制作工程
- 1
骨組み
竹ひごを組んで、金魚の形の骨組みを作る。
- 2
紙貼り
骨組みに和紙を貼る。
- 3
色付け
溶かしたロウや染料を塗り、胴体やひれに模様を描く。
- 4
仕上げ
目を貼って周りを塗り、尾びれと胸びれを取り付ける。
| 主な産地 |
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購入方法
- 佐川醤油店(甘露醤油資料館)
- 柳井市柳井3708-1にある、1830年(天保元年)創業の醤油の蔵元である。赤3種を含む8色10柄の金魚ちょうちんをそろえ、大きさもさまざまで、窓に付けられる吸盤付きのものもある。営業は8時〜17時(日曜・祝日は9時30分〜16時30分)。購入先を見る →PR
- 木阪賞文堂 白壁店
- 柳井市柳井津452、白壁の町並みにある1894年(明治27年)創業の文具店である。金魚ちょうちんをあしらったノートや付箋、ポチ袋、Tシャツなど300点以上のグッズを扱い、柳井縞を取り入れたデザインもある。営業は11時〜17時で、月曜・水曜休み。購入先を見る →PR
- きじや
- 柳井市柳井津437の土産物店で、金魚ちょうちんのほか、銘菓「月でひろった卵」や民芸品、柳井の名産品をそろえる。営業は9時〜17時。営業日は変わることがあるため、事前に確認しておきたい。購入先を見る →PR
体験施設
やない西蔵(金魚ちょうちん製作体験)
山口県柳井市柳井3700-8
骨組みと和紙貼りが済んだちょうちんに、胴体やひれの線を描き、目を貼って周りを塗り、ひれを付けて仕上げます。所要約30分で、料金は小900円程度、中1,000円程度です。持ち帰り用の箱は別料金です。受付は9時〜16時で、10人以上は予約が必要です。火曜(祝日の場合は翌日)は休みです。
詳細を見る →やない西蔵(柳井金魚ちょうちん本格製作体験)
山口県柳井市柳井3700-8
竹ひごの骨組みから、和紙、染料を使って金魚ちょうちんを一から作る本格的な体験です。所要は半日程度で、料金は2,500円程度です。10月〜12月の毎週土・日曜に、9時30分からと13時からの2回行われ、1週間前までの予約が必要です。
詳細を見る →よくある質問
Q. 柳井金魚ちょうちん祭りはいつ開かれますか?
A. 毎年8月13日に開かれます。2026年の本祭りは16時30分〜21時で、7月11日〜8月31日には金魚ちょうちんの飾り付けと夜のライトアップも行われました。会場はJR柳井駅周辺や麗都路通り、白壁の町並みです。
Q. 白壁の町並みのほかに、金魚ちょうちんにちなんだ見どころはありますか?
A. 柳井市町並み資料館では、折り紙で作った金魚ちょうちんや、青森との交流を紹介する展示が見られます。頭から小銭を入れる「お鐘金魚」もあり、出てきた小銭をお守りとして持ち歩くとよいとされています。