和泉蜻蛉玉(いずみとんぼだま)は、和泉市や堺市でつくられるガラス玉です。蜻蛉玉とは、2色以上の色ガラスで表面に文様を施したガラスの丸玉のことです。斑点の文様がトンボの複眼に似ていることから、この名が付いたといわれます。和泉国(現在の堺市以南)では、奈良時代以前からガラス玉が作られていたとされます。江戸時代には「泉州玉」「さかとんぼ」と呼ばれ、広く知られていました。明治初期に製造技術が確立し、和泉市の信太(しのだ)地域では農業の副業としてガラス玉づくりが盛んになります。大正期には、ガラス玉に塗装を施して作る人造真珠の製造も広がりました。炎で溶かした色ガラス棒を芯棒に巻き付けて玉を形づくり、表面に模様を付けていきます。複数のガラスを組み合わせて生む色彩の技術は、国宝の復元や文化財の修復にも生かされています。2002年(平成14年)に大阪府の伝統工芸品に指定されました。
発祥
蜻蛉玉は日本でも古く、古墳時代にはすでに副葬品として見られます。大阪府によれば、和泉国では奈良時代以前からガラス玉が作られていたとされます。辞典類では、江戸時代に長崎経由でオランダから改めて技術が伝わり、大阪で盛んに作られたと説明されています。江戸時代の和泉のガラス玉は「泉州玉」「さかとんぼ」と呼ばれ、その名が知られていました。
歴史
明治初期には和泉国でガラス玉の製造技術が確立し、現在の和泉市信太地域で農業の副業として盛んになりました。大正期には、ガラス玉に塗装を施して作る人造真珠の製造も広がります。和泉市の佐竹ガラスは、戦前から続く工芸用色ガラス棒の製造工場として、ガラス細工の材料や人造真珠の核となる原玉を供給してきました。2002年1月8日、「和泉蜻蛉玉」は大阪府知事指定の伝統工芸品となっています。
特徴
和泉蜻蛉玉は、炎で溶かした色ガラス棒を芯棒に巻き取って玉にし、表面に別の色ガラスで模様を付けて作ります。大阪府は、工程を模様出し・玉巻き・模様付け・型入れ・冷却の順に紹介しています。複数のガラスを組み合わせて生み出す色彩が持ち味です。その技術は、国宝の復元や文化財の修復にも受け継がれています。完成した玉は、ネックレスやストラップなどのアクセサリーに仕立てられます。
技法
玉巻き
灯油バーナーの炎で色ガラス棒を溶かし、鉄の芯棒に巻き付けながら回して丸い玉に整える。信太のガラス玉づくりで受け継がれてきた技法で、ガラスの溶け具合と芯棒の回し方で玉の形が決まる。
模様付け
巻き上げた玉の表面に、別の色ガラスを溶かし付けて文様を描く。複数の色ガラスを組み合わせて独特の色彩を生み出す。斑点の文様がトンボの複眼に似ることが、蜻蛉玉の名の由来とされる。
使用される素材
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職人・工房
山月工房
大阪府が和泉蜻蛉玉の問い合わせ先として案内する和泉蜻蛉玉産業協会は、山月工房堺東店内にある。同店は和泉蜻蛉玉資料館を兼ね、所在地は堺市堺区中瓦町1丁4番25号 文具のキシダ2階(電話072-224-2670)。
佐竹ガラス
和泉市幸の色ガラス棒メーカー。日本で唯一、戦前から続く工芸用色ガラス棒の製造工場とされ、建物は国の登録有形文化財。和泉のガラス細工の材料や、人造真珠の核となる原玉を供給してきた。
購入方法
- 山月工房堺東店(和泉蜻蛉玉資料館)
- 堺市堺区中瓦町1丁4番25号 文具のキシダ2階。和泉蜻蛉玉産業協会の所在地で、資料館を兼ねる工房の店舗。訪れる前に電話(072-224-2670)で営業日を確かめたい。
- 佐竹ガラス 併設ショップ
- 和泉市幸2-11-30の工場に併設された店で、ガラス細工やアクセサリーを販売している。工場にはガラス工房と体験教室も併設されている。営業は9〜17時。
体験施設
佐竹ガラス とんぼ玉体験教室
大阪府和泉市幸2-11-30
要予約で、小学2年生から参加できる。平日は1時間2,000〜2,500円程度で、最大15個まで作れると紹介されている。土曜は1人2時間2,500円(3名まで)。火・水曜には職人技の見学(無料・要予約)もある。
よくある質問
Q. 「蜻蛉玉(とんぼだま)」という名前の由来は?
A. 色ガラスで描いた斑点の文様が、トンボの複眼に似ていることから名付けられたといわれます。2色以上の色ガラスで表面に円文などの装飾を施したガラスの丸玉を指します。
Q. 大阪府の伝統工芸品の「蜻蛉玉」と「和泉蜻蛉玉」は同じものですか?
A. 大阪府の伝統工芸品には、「蜻蛉玉」と「和泉蜻蛉玉」の2品目が別々に指定されています。和泉蜻蛉玉は、和泉市と堺市を産地とし、2002年に指定されたものです。