入山メンパ

Iriyama Menpa

入山メンパ 1

入山メンパは、群馬県吾妻郡中之条町の入山地区に伝わる曲物(まげもの)の弁当箱です。江戸時代後期の文化・文政期(19世紀初頭)ごろから作られてきたとされ、農林業以外に目立った産業のなかった山あいの入山地区で、木工細工が人々の暮らしを支える生業として発展しました。赤松の薄板を熱湯で柔らかくして丸く曲げ、山桜の樹皮で縫いとめて作られ、釘は一切使いません。小判形をした縁起の良い形が特徴で、木が持つ吸湿性と芳香性により、ご飯から出る蒸気を程よく吸い取ってベタつきを抑え、夏場でも傷みにくいことから、かつては山仕事に携行する弁当箱として広く使われてきました。使い込むほどに木肌の色合いが深まっていく点も魅力で、群馬県ふるさと伝統工芸品に指定されています。

発祥

入山メンパの起源は、江戸時代後期の文化・文政期(1804〜1830年)ごろにさかのぼるとされています。群馬県吾妻郡中之条町の山あいに位置する入山地区は、当時、農林業のほかに目立った産業がなく、身近にある木を生かした木工細工が人々の生活の糧となっていました。山で働く人々が携行する弁当箱として、薄い木の板を曲げて作る「めんぱ」づくりが根付き、入山地区の名を冠した特産品として受け継がれてきました。

歴史

入山メンパは長らく、山仕事や農作業に携行する実用の弁当箱として、地域の暮らしに欠かせない道具でした。時代とともに需要は減っていきましたが、木の吸湿性や芳香性が食べ物を良好な状態に保つ利点が改めて見直され、群馬県ふるさと伝統工芸品として現在まで技術が受け継がれています。一時は作り手が一人だけになるなど存続が危ぶまれた時期もありましたが、後継の職人が技術を引き継ぎ、中之条町でめんぱづくりを続けています。

特徴

入山メンパ最大の特徴は、赤松の薄板を熱湯で柔らかくして丸く曲げ、山桜の樹皮で縫いとめて作る「曲物」の技法にあり、接着剤も釘も一切使いません。全体に丸みを帯びた小判形は縁起が良いとされ、蓋と身が対になった形状をしています。木そのものが持つ吸湿性と芳香性により、ご飯から出る蒸気を適度に吸収するためベタつきにくく、夏場でも傷みにくいのが実用面での大きな利点です。使い込むほどに木肌の色合いが深まり、経年変化を楽しめる点も魅力です。

使用される素材

赤松山桜の樹皮

制作工程

  1. 1

    板取り

    赤松の木を薄く削り、めんぱの側面となる板を用意する。木目や厚みを見極めながら、曲げやすいしなやかな薄板に仕上げていく。

  2. 2

    曲げ

    薄板を熱湯に浸けて柔らかくし、小判形に丸く曲げていく。木が冷めて固まる前に手早く形を整える、職人の勘が問われる工程である。

  3. 3

    縫いとめ

    曲げた板の合わせ目を、山桜の樹皮を細く裂いた紐で縫いとめて固定する。接着剤や釘を使わず、樹皮の張力だけで留める。

  4. 4

    底入れ・仕上げ

    曲げた側面に底板を組み込み、蓋と身を一対に仕上げる。全体の形やゆがみを整え、実用に耐える丈夫な弁当箱に仕立てる。

主な産地
  • 中之条町入山地区
  • 中之条町六合地区

職人・工房

山本幹雄

草津温泉のホテル支配人を26年間務めたのち、入山メンパの職人が途絶えかけていたことを知り、退職後にめんぱ作りを始めた。中之条町六合地区の自宅横の工房で、木を切り出す工程から手がけている。

公式サイト →

購入方法

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