はこた人形は、鳥取県倉吉市で作られている張り子(はりこ)の人形です。桐の木型に和紙を張り重ね、型から抜いた張り子に胡粉(ごふん)で下地を塗り、染料や日本絵具で彩色して仕上げます。始まりは江戸時代の天明年間(1781〜1789年)といわれます。備後国(びんごのくに、現在の広島県東部)から行商に来た備後屋治兵衛が、倉吉の慎ましやかな娘に惹かれて人形にしたと伝えられます。こけしのような姿の素朴な人形で、かつては「はーこさん」と呼ばれ、子どもの遊び相手として親しまれました。けがや病気をせず無事に育つよう願うお守りでもあります。鳥取県知事が指定する郷土工芸品等の一覧に、郷土玩具として載っています。現在は白壁土蔵群の一角にある「はこた人形工房」で、倉吉はこた人形保存会が製作と販売を続けており、顔描き体験もできます。
発祥
はこた人形の始まりは、江戸時代の天明年間とされます。備後国から倉吉に行商に来た備後屋治兵衛が、町の慎ましやかな娘に心ひかれ、その姿を人形にしたと伝えられます。治兵衛は「倉吉張り子の祖」と呼ばれ、屋号の備後屋は、倉吉で張り子を作る家として受け継がれてきました。
歴史
はこた人形は、子どもの健やかな成長を願う人形として倉吉で親しまれてきました。2009年の鳥取県の紹介記事では、備後屋は6代目の三好明が継ぎ、張り子の人形のほか面や凧絵も手がけていると紹介されています。現在は倉吉はこた人形保存会が、白壁土蔵群のはこた人形工房で製作を続けています。2022年の観光資料では、継承者は女性2人のみとされています。
特徴
こけし型のふっくらした姿に、素朴な顔立ちを描いた張り子人形です。はこた人形工房では、大(高さ25cm)、中(20.5cm)、小(18.5cm)、豆(8.5cm)の4種類が作られています。和紙の張り子なので軽く、胡粉の白地に色をつけ、ニカワでつやを出します。山陰では倉吉でしか作られていない張り子で、工房では因幡の白兎や起き上がり小法師、張り子の面も作られています。
技法
張り子
木型に紙を張り重ねて形をつくり、型を抜いて中が空洞の人形にする技法。はこた人形では桐の木型に和紙を何枚も張り重ね、張り子を型から抜き取る。
使用される素材
制作工程
- 1
張り重ね
桐で作った木型に和紙を何枚も張り重ね、人形の形をつくる。
- 2
型抜き
張り重ねた和紙を木型から抜き取り、中が空洞の張り子にする。
- 3
下地塗り
張り子に胡粉を塗って白い下地を作る。胡粉は貝殻を砕いて作る白い顔料である。
- 4
彩色
染料や日本絵具で、着物の柄や顔を描き入れる。
- 5
つや出し
ニカワ(動物の皮や骨から作る接着剤)を塗ってつやを出し、仕上げる。
| 主な産地 |
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職人・工房
購入方法
- はこた人形工房
- 倉吉市魚町2529の工房で展示販売している。営業は10時〜17時で、水曜定休。張り子の面(幅13cm×縦20cm、全6種)は各2,500円程度。購入の相談は工房(090-1185-9732)へ。購入先を見る →PR
体験施設
はこた人形工房(顔描き体験)
鳥取県倉吉市魚町2529
顔のないはこた人形に顔を描き入れ、自分だけの人形に仕上げる。所要約30分で、一度に5人まで。要予約だが、予約が入っていなければ当日も受け付ける。予約サイトでは1,600円程度〜で、大小のはこた人形や因幡の白兎などから選べる。
詳細を見る →よくある質問
Q. 「はーこさん」とは何ですか?
A. はこた人形のかつての呼び名です。子どもの遊び相手として親しまれ、けがや病気をせず無事に育つよう願うお守りでもありました。
Q. はこた人形はどこで作られていますか?
A. 倉吉市の白壁土蔵群にある、はこた人形工房で作られています。山陰では倉吉でしか作られていない張り子で、2022年の観光資料では継承者は女性2人のみとされています。工房では製作の見学もできます。