博多曲物は、杉やヒノキの薄板を丸く曲げて成形し、桜の皮でとじて底をはめ込んだ木工品で、金属釘を一切使わないのが特徴です。その起源は古く、博多の柴田家が400年以上にわたって曲物づくりを家業として受け継いでおり、現当主は十八代目にあたる柴田玉樹氏です。江戸時代には東区の筥崎宮の神具としても奉納されてきた歴史を持ちます。飯びつ(おひつ)や弁当箱、茶びつなどの生活道具として親しまれ、特におひつは杉が余分な水分を吸放出することでご飯をふっくらと保つ性質があり、寿司職人をはじめ多くの料理人に愛用されています。使い方や手入れ次第では50年にわたって使い続けられるとも言われ、令和7年(2025年)3月には福岡県指定無形文化財(工芸技術)に新たに指定されました。
発祥
曲物の歴史は古く、その起源は古代にまでさかのぼるとされます。博多の地では、東区にある筥崎宮の神具として古くから曲物が奉納されてきた伝統があり、博多曲物の前身はこの頃から存在していたと伝えられています。江戸時代に入ると生活道具としても盛んに作られるようになり、博多の柴田家が代々曲物づくりを家業として受け継いできました。
歴史
博多の柴田家は、約400年にわたって曲物づくりの技術を代々伝えてきました。現当主の十八代・柴田玉樹氏は、博多曲物では初めての女性職人として家業を継承しています。長らく生活道具として愛用されてきた博多曲物は、近年その調湿性や耐久性が改めて評価されるようになり、令和7年(2025年)3月28日、福岡県指定無形文化財(工芸技術)に新しく指定されました。
特徴
杉やヒノキの薄板を丸く曲げて成形し、桜の皮でとじて底板をはめ込む、金属を一切使わない木工技術が最大の特徴です。特におひつとしては、杉材が余分な水分を吸放出して適度な湿度を保つ性質があり、ご飯をふっくらと保つことができます。使い方や手入れ次第では50年にわたり使い続けられるとも言われ、寿司職人をはじめ多くの料理人に愛用されています。
使用される素材
制作工程
- 1
木取り
杉やヒノキの木材を、用途に合わせた大きさ・厚さの板に整える。
- 2
曲げ
熱湯で煮て柔らかくした杉の薄板を、一枚ずつ型に沿って丸く曲げていく。
- 3
綴じ(縫い)
曲げた板の重なり部分を桜の皮で綴じ合わせ、木ばさみで丁寧に留めていく。
- 4
底入れ
曲げて綴じた側面に底板をはめ込み、容器として仕上げる。
| 主な産地 |
|
|---|
職人・工房
博多曲物 玉樹(十八代・柴田玉樹)
約400年続く柴田家の曲物づくりを受け継ぐ、十八代・柴田玉樹氏の工房。博多曲物では初めての女性職人として、樹齢200年以上の国産杉を用いた飯びつや弁当箱、柄杓などを手がけている。
公式サイト →購入方法
- 博多曲物 玉樹 オンラインショップ「くらすこと」
- 十八代・柴田玉樹氏が手がける飯びつやだ円弁当箱などを購入できる通販サイト。だ円弁当箱は7,700円(豆サイズ)〜8,800円(スリムサイズ)程度、飯びつは複数サイズが用意されている。購入先を見る →PR
- はかた伝統工芸館
- 2025年5月に博多区承天寺通りに移転オープンした施設。博多曲物をはじめ博多織・博多人形など福岡・博多の伝統工芸品を常時展示し、販売コーナーでも購入できる。入館無料。購入先を見る →PR