
播州三木打刃物(ばんしゅうみきうちはもの)は、兵庫県三木市で作られている鋸(のこぎり)・鑿(のみ)・鉋(かんな)・鏝(こて)・小刀の5品目の打刃物です。三木の鍛冶の起源は約1500年前、土地の「大和鍛冶」と百済から渡来した「韓鍛冶」の技術交流にさかのぼるといわれます。大きな転機は、天正6年(1578年)に始まった羽柴秀吉の三木城攻めでした。焼け野原となった町を復興するため、秀吉は税を免除して人々を呼び戻し、集まった大工とその道具を作る鍛冶が町を活気づけます。のちに大工が各地へ出稼ぎに出ると、持参した道具の良さが評判になり、「金物のまち三木」の名が広まりました。和鉄・和鋼の鍛錬で培われた鋭い切れ味が持ち味で、今も手仕事の鍛冶屋が30軒ほど残るとされます。1996年(平成8年)に国の伝統的工芸品に指定されました。
発祥
三木の鍛冶の歴史は古く、5世紀中ごろにこの地に住みついた百済の「韓鍛冶」が、在来の「大和鍛冶」と技術を交流させたことが始まりと伝えられます。三木市はこれを、金物のまちの礎と紹介しています。安土桃山時代には、三木城を拠点とした領主・別所氏の保護のもとで鍛冶が育ちました。しかし、のちの三木合戦で町は大きな被害を受けることになります。
歴史
天正6年(1578年)、羽柴秀吉が三木城を攻め、兵糧攻めに敗れた城主・別所長治は天正8年(1580年)に自刃しました。秀吉は免税策で町の復興を図り、大工や鍛冶が集まります。復興後、大工は京都や大坂へ出稼ぎに出て、その道具が評判を呼びました。18世紀後半には鋸などの鍛冶が盛んになり、明治30年ごろには洋鉄・洋鋼の導入にも成功します。1996年に国の伝統的工芸品に指定されました。
特徴
播州三木打刃物は、大工や左官が使う手道具を中心とする刃物です。伝統的な和鉄・和鋼の鍛錬による鋭い切れ味が特長で、鋸・鑿・鉋・鏝・小刀の5品目が伝統的工芸品に指定されています。品目ごとに専門の鍛冶がいて、プロの職人の細かな要望に応えてきました。現在の三木では、大工道具のほか、スコップや園芸用品、農業機械用の刃物なども作られています。
技法
古式鍛錬
ふいごで火をおこし、熱した鉄を古来の方法で打ち鍛える技法。三木金物古式鍛錬技術保存会には鋸・鑿・鉋・鏝・小刀の5部会があり、三木市立金物資料館横の古式鍛錬場で、月1回日曜日に公開実演を行っている。
和鉄・和鋼から洋鋼へ
三木の刃物は、和鉄・和鋼の鍛錬による切れ味で名を高めた。明治30年ごろには洋鉄・洋鋼の導入に成功し、全国に販路を広げる基礎を築いた。常三郎のように、古来の製法と近代の製法を使い分ける鉋鍛冶もある。
品目ごとの専門鍛冶
鋸、鑿、鉋、鏝、小刀は、それぞれ専門の鍛冶が手がける。例えば鉋鍛冶は、刃金を鍛えた鉋刃を大工の用途に合わせて大鉋や豆鉋などに作り分ける。こうした分業と専門化が、多様な大工道具の産地を支えてきた。
使用される素材
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職人・工房
購入方法
- 道の駅みき 金物展示即売館
- 三木市福井2426番地先の道の駅2階にある金物の展示即売所。70社余りの約2万点を扱い、三木の金物を実際に手に取って選べる。営業は9時〜17時で、年末年始は休み。購入先を見る →PR
- 三木市立金物資料館
- 三木市上の丸町5-43にある市立の資料館で、入館は無料。大工道具をはじめとする三木金物の歴史や製品を展示する。隣の古式鍛錬場では月1回日曜日(10時〜13時、6〜9月は9時〜12時)に鍛錬の実演が見られる。
体験施設
三木の刃物体験(包丁研ぎ・鉋鍛冶)
兵庫県三木市芝町2(湯の山街道)
長原包丁製作所や山本鉋製作所などを訪ね、職人の指導で包丁研ぎと鉋鍛冶を体験できる。料金は鍛冶体験なしで3万5,000円程度、鍛冶体験込みで4万円程度。予約制で3名以下、受付は三木刃物製作所。
詳細を見る →よくある質問
Q. 播州三木打刃物に指定されているのはどの品目ですか?
A. 鋸・鑿・鉋・鏝・小刀の5品目です。1996年(平成8年)に、この5品目が「播州三木打刃物」として国の伝統的工芸品に指定されました。
Q. なぜ三木は大工道具の産地になったのですか?
A. 三木合戦後の復興で大工と鍛冶が集まり、復興が一段落すると大工が京都や大坂へ出稼ぎに出ました。その際に持参した道具の良さが評判となり、大工道具の産地として知られるようになったと伝えられます。
Q. 「三木金物」とはどのような名称ですか?
A. 三木市で作られる金物全体を指す呼び名です。2008年(平成20年)に地域団体商標として登録されました。伝統的工芸品の5品目のほか、園芸用品や農業機械用の刃物なども含まれます。